2023.02.24 10:44
植田和男氏「金融緩和を継続」 賃金上昇、物価安定を実現へ
衆院議運委で所信聴取に臨む次期日銀総裁候補の植田和男氏=24日午前
政府が日銀総裁候補として国会に提示した元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏(71)は24日、衆院議院運営委員会の所信聴取に臨み「金融緩和を継続し、経済をしっかり支える必要がある」と述べた。「構造的に賃金が上がる状況をつくり上げて持続的な形で物価の安定を実現したい」とも語った。政府の人事案提示後、金融政策に関する見解を初めて公式に表明した。4月8日に任期満了となる黒田東彦総裁(78)の後任となる。
植田氏は冒頭、黒田氏が進めてきた、金利を極めて低い水準に抑える大規模な金融緩和策に言及し「現在の日銀の金融政策は適切」と指摘した。物価上昇率は政府と日銀が目標とする2%を大きく上回るが、植田氏は食料や資源の価格高騰の影響が和らぐことで「2023年度半ばにかけて2%を下回る水準に低下する」と予測した。
その上で、2%の物価目標を「持続的、安定的に達成するまでには、なお時間を要する」と話し、当面は景気を支える金融緩和策を続ける必要があると説明した。