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2023.02.23 08:37

「1校1プール」の維持困難 老朽化で対応検討、他県では校外活用も 高知市教委 

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1校に一つずつある学校プール。高知市教委が見直しの検討を始める(同市内)

1校に一つずつある学校プール。高知市教委が見直しの検討を始める(同市内)

 高知市内の小中学校でプールの老朽化が進み、「1校1プール」の維持が難しくなっている。市立59校のうち38校で築30年以上が経過し、度々修繕が必要になっているものの、全面改築には多額の費用が必要で、市教育委員会は「全ての改築は難しい」。2023年度から検討委員会を立ち上げ、公営・民営プールを使用する案や複数の学校でプールを共用する案を検討する。

 市教委によると、市立59校はそれぞれプールを整備しており、最も古いものは築63年。毎年1、2校のプールが老朽化で漏水やひび割れを起こし、事故防止のためその都度、部分的に修繕している。市教委が昨夏から全校点検を実施したところ、修繕しないと授業実施が困難なプールが複数確認されたという。

 水道代は59校で年間6千万円、修繕費は1件当たり700万~800万円。プール一つを全面改築するには2億円程度が必要で、厳しい懐事情もあり、市教委は06年の第六小学校以降行っていない。

 学校環境整備課の担当者は「部分修繕を繰り返しても老朽化は進み、修繕件数は増える一方。コストと水泳の授業時間を考えると、在り方を見直す時期にきている」との考えだ。

 他県では同様の状況から学校のプールを廃止する動きが広がっている。

 神奈川県海老名市では、小中19校全てで廃止し、小学校は4カ所の市営屋内プールで5~10月の間、水泳の授業を実施している。プールは温水で授業時間中は貸し切り。市委託の送迎バスも出している。

 同市の担当者は「学校プールの維持費よりコストは安い。屋外のプールは台風などで授業ができない日も多いが、屋内なので授業日数が確実に確保できる」とメリットを説明。ただ、移動時間の確保が必要なため、中学校では特別支援学級を除き、水泳の授業をやめたという。徳島県などでも外部のプールを使う小中学校や水泳の授業をやめる中学校がある。

 こうした他県の事例も念頭に、高知市教委は「学校プールの在り方検討委員会」を5月に立ち上げる方針を決定。保護者や有識者、学校長ら15人程度で構成し、9月までに方向性をまとめるという。

 学校環境整備課は「県内は川や海に囲まれており、安全のためにも水泳の授業をやめるということは考えてない。地域ごとの事情に合わせたやり方を探りたい」としている。(高井美咲)

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