2023.02.17 18:35
「はだしのゲン」の掲載取りやめ 平和教育の教材、広島
広島市教育委員会が作成した「平和教育プログラム」の教材。小学校低学年の3年生の学習部分に、漫画「はだしのゲン」が掲載されていた。
広島市立の小中高校が取り組む「平和教育プログラム」の教材から、漫画「はだしのゲン」の掲載がなくなることが17日、市教育委員会への取材で分かった。市教委がプログラム内容を検討する中で「漫画の場面だけでは被爆の実相に迫りにくい」と判断し、家族を失った被爆者の体験と継承の内容に2023年度から変更する。
市教委は取材に「学習では継承と発信を大事にしており、より良い教材にするために改訂した。子どもから、はだしのゲンを遠ざけるつもりは全くない」と説明した。
平和教育プログラムは、児童や生徒に被爆の実相を伝え、平和の担い手としての知識や能力を身につけてもらう目的で13年度から始まった。市教委が作成した「ひろしま平和ノート」を教材として使用し、小学校低学年、高学年、中学校、高校の4冊で構成される。
はだしのゲンは、小学校低学年の3年生の学習部分に登場。ゲンたちが、身重の母親のために浪曲のまねごとをしてお金を稼ぎ、栄養不足を補うために食べさせようと池でコイを釣る場面を引用した。