2023.02.16 09:19
1月貿易赤字、過去最大3・5兆 資源高、円安で輸入膨らむ
東京港に停泊するコンテナ船
財務省が16日発表した1月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3兆4966億円の赤字で、比較可能な1979年以降、単月として過去最大だった。3兆円を超えたのは初めて。原油など資源高と円安で、輸入が前年同月比17・8%増の10兆478億円と拡大し、輸出を大きく上回った。
赤字は18カ月連続。輸出は3・5%増の6兆5512億円で、伸び率が鈍化した。1月に中国の春節(旧正月)があり、中国向けの輸出が17・1%も減少。新型コロナウイルス感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策の転換による感染拡大も影響を与えた可能性がある。
日本の貿易赤字は昨年8月の2兆8248億円がこれまでの最大だった。
資源価格の上昇は一服したが、水準は高く輸入総額を押し上げた。原油の輸入額は35・3%増の1兆75億円。円建て単価は1キロリットル当たり7万3234円と27・1%上昇した。石炭の輸入額はほぼ倍増、液化天然ガス(LNG)は約1・6倍に拡大した。