２２年経常黒字４７％減１１兆円　８年ぶり低水準

2023.02.08 09:15

２２年経常黒字４７％減１１兆円　８年ぶり低水準

高知新聞社

　財務省

　財務省が８日発表した２０２２年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年比４７・０％減の１１兆４４３２億円だった。黒字額は東京電力福島第１原発事故後の原発停止に伴って火力発電の燃料輸入が膨らんだ１４年（３兆９２１５億円）以来、８年ぶりの低水準。原油価格の高騰と円安による輸入物価の上昇で、巨額の貿易赤字となったことが響いた。

　経常黒字の減少額は１０兆１４７８億円で、比較可能な１９８６年以降で過去最大となった。

　経常収支のうち、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は１５兆７８０８億円の赤字だった。７年ぶりの赤字で、金額は過去最大を更新した。

　輸出は自動車などが増え、前年比１９・９％増の９８兆６９０３億円。輸入は原油や石炭が増え、４２・０％増の１１４兆４７１１億円となり、輸出入とも過去最大だった。

　円換算の原油価格は年平均で前年から７６・５％上昇。円相場が１ドル＝１３１円台半ばとなり、前年に比べ約２割の円安ドル高となったことが輸入額を押し上げた。

(c)KYODONEWS

国内・国際 N主要 N経済