2023.02.07 13:11
被爆2世訴訟、賠償請求を棄却 違憲と認めず、広島地裁
広島地裁
広島の被爆者を親に持つ「被爆2世」が、放射線の遺伝的影響による健康被害の可能性が否定できないのに国が援護を怠ってきたのは憲法違反だとして、広島県などに住む2世の28人が国に1人10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で広島地裁(森実将人裁判長)は7日、被爆2世の請求を棄却し、憲法に違反しないと判断した。
同種訴訟の長崎地裁判決は昨年12月、原告の請求を棄却、違憲性も否定し、被爆2世は身体に直接被ばくしたとは認められないと指摘した。
全国被爆二世団体連絡協議会によると、被爆2世は全国に30万~50万人いると推定される。
原告側は、これまでの科学研究では親の被爆が健康被害につながる可能性は否定されていないと主張。被爆者との間で国の支援に差があるのは不合理な差別に当たり、「法の下の平等」を定める憲法14条に違反するとした。健康不安を抱え、がんなどに苦しむ2世もいる中、被爆者の認定要件を定めた被爆者援護法の立法趣旨を踏まえ、2世も援護の対象とするべきだと訴えていた。