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2023.01.24 08:00

小社会 逝きし世の面影

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 「貧乏人は存在するが、貧困なるものは存在しない」。イギリスの日本研究者であるチェンバレン(1850~1935年)は書いている。その生きた時代から分かるように、まだ江戸時代の暮らしぶりを残す明治初期の日本人に対する感嘆である。

 「貧乏」と「貧困」。どんなふうに異なるのだろう。昨年末に亡くなった渡辺京二さんは著書「逝きし世の面影」でチェンバレンの感嘆を補足している。「日本では貧は惨めな非人間形態をとらない、あるいは、日本では貧は人間らしい満ちたりた生活と両立すると彼は言っているのだ」。金はなくても、人々は清潔で簡素な暮らしを営み、のんきで笑いを絶やさず生きていた。

 大政奉還が行われた1867年、マルクスの「資本論」は刊行されている。すでに欧米における資本主義は高度な段階を迎えており、その弊害としての資本家らと労働者の経済的格差は広がっていた。

 「資本論」は理論的書物と思われがちだが、マルクスはジャーナリストでもあった。安い賃金と劣悪な環境で長時間働かされている労働者(子供も含む)たちの実例を読者がうんざりするほどに取り上げている。

 やがて日本もそうなっていくのだろう―「逝きし世の面影」には資本主義が先行した社会から訪れた欧米人たちの郷愁もあふれる。

 日曜日。高知城へと連なる長い長い街路市をのんきな気持ちで歩いてみた。逝きし世の面影を探しながら。


1月24日のこよみ。
旧暦の1月3日に当たります。みずのえ うま 一白 先負。
日の出は7時07分、日の入りは17時29分。
月の出は9時05分、月の入りは20時15分、月齢は2.3です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時36分、潮位-31センチと、13時53分、潮位57センチです。
満潮は8時17分、潮位172センチと、19時35分、潮位174センチです。

1月25日のこよみ。
旧暦の1月4日に当たります。みずのと ひつじ 二黒 仏滅。
日の出は7時07分、日の入りは17時30分。
月の出は9時39分、月の入りは21時25分、月齢は3.3です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時16分、潮位-17センチと、14時36分、潮位51センチです。
満潮は8時52分、潮位167センチと、20時22分、潮位164センチです。

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