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2023.01.24 08:38

「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督、洋画家の祖父の絵と対面 特集上映で高知県立美術館訪問 「胸いっぱい」「ルーツ意識」

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祖父の油彩画「老樹の春Ⅱ」の前に立つ濱口竜介監督(高知市の県立美術館=佐藤邦昭撮影)

祖父の油彩画「老樹の春Ⅱ」の前に立つ濱口竜介監督(高知市の県立美術館=佐藤邦昭撮影)

 「ドライブ・マイ・カー」で昨年、米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督(44)が22日、高知市高須の県立美術館主催の特集上映会に合わせて来高。同館で展示中の祖父の絵を前に「祖父がすごく好きでした。絵をこの目で見られて、胸いっぱいです」と語った。

 祖父は同市出身の洋画家、浜口喬夫(たかお)さん(1908~95年)。東京美術学校(現・東京芸術大学)に進み、小磯良平らに師事。2度の応召の後、高知県内の公立高校や土佐女子高の教壇に立った。亡き戦友への鎮魂の思いを込めたミャンマーの仏塔や、四国山系のブナの大作を描いた。同館では4作品を所蔵している。

 神奈川県生まれの濱口監督は子どもの頃、父親の仕事の関係で国内外を転々とする中、正月に同市二葉町にあった祖父宅を訪れたそうで、「優しげな印象の中に威厳があった」。

 同館のコレクション展で展示されている作品は、油彩画「老樹の春Ⅱ」(制作は93年ごろ)。生命力あふれるブナがモチーフ。「好きな絵です。写真でしか見たことがなかった。晩年の体力がない中、老いた木の様子、光をよく描いている。この人が祖父であることを誇りに思います」

 高知を訪れるのは95年の祖父の葬式以来。今回の上映会の担当者は父のはとこだったり、取材陣から高知への思いをたびたび聞かれたり、「ここに来て初めて自分のルーツを意識しました。不思議な気がします」と語った。

 濱口監督のインタビューは後日、掲載する。(村瀬佐保)

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