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2023.01.04 08:46

「香北讃歌」地元合唱団が歌い継ぐ やなせたかしさん作詞・いずみたくさん作曲

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香北讃歌の練習に励む「柿の実コーラス」のメンバー(香美市香北町美良布の市基幹集落センター)

香北讃歌の練習に励む「柿の実コーラス」のメンバー(香美市香北町美良布の市基幹集落センター)

 高知県香美市香北町朴ノ木出身の故やなせたかしさんが故郷の旧香北町を思って24年前に作り、地元の合唱団で受け継がれている歌がある。その名も「香北讃歌(さんか)」。歌詞には物部川や御在所山、ユズといったフレーズがちりばめられ、合唱団のメンバーは「香北の魅力が詰まった歌。これからも歌い続けたい」と、欠かさず練習に励んでいる。

 ♪あおくきらめく ものべがわ かぜにゆれてる あじさいの ふるさとのみち なつかしい―

 地元の合唱団「柿の実コーラス」の伸びやかな混声合唱が響く。60~90代の約20人が月に2回ほどの練習に集まると、必ず歌うのが香北讃歌だ。

 この歌の誕生は1999年。前年の98年、当時のコーラス団長、岩田正さん(故人)やメンバーの福留文男さん(94)らがやなせさんに面会した際に合唱団の話になり「ひとつ香北の歌を作ってくれんろうか」と依頼した。即答は得られなかったが、2カ月ほどたった頃に楽譜が届いた。作詞はやなせさん、作曲は「手のひらを太陽に」を手がけたいずみたくさんだった。

やなせたかしさんが作詞、いずみたくさんが作曲した「香北讃歌」の楽譜

やなせたかしさんが作詞、いずみたくさんが作曲した「香北讃歌」の楽譜

 郷愁漂う切ないメロディーに乗せて歌われる詞には、やなせさんの思いがぎっしり。山あいに消えていく星や滝のごう音、韮生太鼓が響く美良布の夏祭りといった風景を〈こころのふるさと〉としてつづり、〈ゆめがうまれる かほくちょう〉と結んでいる。

 福留さんは「香北の名所旧跡がすべて入っちゅう。本当にえい歌を作ってもらった」としみじみ。合唱団では長年欠かさず練習して歌い継ぎ、時折ある公演の場でも披露してきた。

 ただ、対外的に歌う機会が少ないこともあり、この歌を知らない地元の人も多いそう。福留さんは「香北の風や景色を感じられる曲。地元の子どもたちにも知ってほしいね」と願っていた。(福井里実)


香北讃歌
     作詞 やなせたかし
     作曲 いずみたく

あおくきらめく ものべがわ
かぜにゆれてる あじさいの
ふるさとのみち なつかしい
ほんのちいさな はなさえも
やまのかたちも かきのきも
みんなむかしの かおなじみ
ほしがきえゆく やまあいの
そらをたびする ちぎれぐも
あこがれのいろ にじませて
ございしょさんの やまはだに
にろうだいこが こだまする
あれはびらふの なつまつり
ひかりあふれる おかこえて
ゆけばとどろく たきのおと
こけむすいわに たたずめば
ゆずのかおりが ながれくる
ここがこころの ふるさとさ
ゆめがうまれる かほくちょう
ここがこころの ふるさとさ
ゆめがうまれる かほくちょう

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