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2022.11.10 08:35

現代美術で文化つなぐ 廃校や古民家に作品展示 高知県奈半利町で企画展 11/13まで

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高木友香「コトノハタチガ ツドウヘヤ」

高木友香「コトノハタチガ ツドウヘヤ」


 安芸郡奈半利町で13日まで開かれている「なはり古民家・廃校ART&LIVE2022」。地域文化の拠点でもある国の登録有形文化財や廃校など5会場に作家16人が作品を展示し、現代美術による文化をつなぐ試みを行っている。

 同展のきっかけをつくった造形作家で香美市立美術館長の都築房子は「作家は事前に会場を下見しており、展示場所への思いを個々の作品に重ねているようで、見る人の心に響く良い展示になった」と話す。

 今回、初めて会場となった旧加領郷小学校では、9人の作家が教室ごとに個展形式やインスタレーションの世界を繰り広げる。高木友香「コトノハタチガ ツドウヘヤ」は図書室を舞台に、知識や言葉を育む楽しいスペースに思いを巡らせる。井関さおりは音楽室で「いまじん」など映像作品5本を上映。音楽家を登場させるなど場を意識しながら想像力、死後の世界、性差別などについて語り掛ける。奈半利中で昨年行ったワークショップのアニメ作品も流している。

松岡美江「おじゃみどかべみ」

松岡美江「おじゃみどかべみ」

 西田紀彦は洋画、デザイン、陶器など多彩な作品を出品。立体作品「希望」は、見通しが立たずがんじがらめの現代に一筋の光を見いだそうとする。松岡美江「おじゃみどかべみ」は和室に大小色とりどりのおじゃみを壁のようにしつらえた作品で、ぬくもりが伝わる。体育館では堀田幸生がバードカービングを展示。ひもを引くと動く仕掛けが見る者を楽しませる。旧加領郷小には小松サヤ、森下嘉晴、野町直文、横江孝治の作品も。

都築房子「A Body as Life」(生命としての体)

都築房子「A Body as Life」(生命としての体)

 藤村製糸記念館では都築の「A Body as Life」(生命としての体)が目を引く。生糸を貯蔵する蔵に配置された作品からは、生きること、生命についての思いが感じられる。浜田公望の映像作品「流動性の後で」は山の木が川を流れて海にたどり着くまでを描き、動画とともに水音などが印象に残る。今崎順生の新作など8作品も並ぶ。

 浜田典弥(のりひろ)家住宅には、地上にたまった雨水が流れる姿を表現した玉木かつこの鉄製作品「にわたずみ」など7点と、森尾望美「Bowl」「苦丁虫(くちょうちゅう)」など。「なはりの郷(さと)」には横山千春の洋画、高田屋には大場真美の日本画が飾られ、魅力たっぷりのアートイベントとなっている。(池添正)

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