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2022.11.01 08:45

子どもに寄り添う駄菓子店「だがしやふぃーか」 高知大生が運営

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和室に駄菓子がずらり。店長の森野純夏さん=左=が笑顔で子どもたちを迎える(写真はいずれも高知市の「ふぃーか」)

和室に駄菓子がずらり。店長の森野純夏さん=左=が笑顔で子どもたちを迎える(写真はいずれも高知市の「ふぃーか」)

庭や駐車場も子どもたちの居場所に

庭や駐車場も子どもたちの居場所に

 「店長、おる~?」

 高知大学朝倉キャンパス近くの住宅街に、昨年オープンした「だがしやふぃーか」(高知市朝倉本町2丁目)。夕方、駄菓子を買いに来た近所の小学生らが、「店長」の森野純夏(すみか)さん(23)=同大地域協働学部4年=とおしゃべりをして楽しむ。森野さんは「学校や家族以外に相談したいなと感じた時、思い浮かぶ場所に」と、そっと子どもたちに寄り添っている。

 「いらっしゃーい」

 10月半ばの午後4時ごろ。1年生の男の子が、一番乗りでやってきた。

 「えっと、これで40円、70円。70円足す60円は…」。両手のお菓子とにらめっこして「ちょうど300円!」と胸を張ってお会計へ。好きな駄菓子の味や流行している遊びなどについて森野さんとおしゃべりした後、「次開いちゅうのいつ? まったね~」と満足げに帰って行った。

 続いて常連の2年生女子2人組が来店し、「店長、これあげる」とお手紙や折り紙をプレゼント。庭のベンチで駄菓子を食べ、宿題をしたりスマートフォンで友だちに連絡したり。

「あっち向いてホイ!」。2回勝った客には10円分のお菓子券をプレゼントする

「あっち向いてホイ!」。2回勝った客には10円分のお菓子券をプレゼントする

 その後も自転車や徒歩で子どもたちが次々と集まり、「店長、『あっち向いてホイ』しよう」「お絵描きしよう」と、にぎやかな声が響いた。

 森野さんは静岡県清水町出身。地域福祉や発達心理を学び、保育士資格も持つ。木造2階建てのアパートの空き部屋を大家さんが無料で貸してくれ、昨年5月にふぃーかを開いた。庭や駐車場を含めたスペースが子どもの居場所となり、学生ボランティアやご近所さんらの協力も得て運営を続けている。

 これまでに延べ約4600人が来店。お菓子目当てというより、おしゃべりしたくてやって来る子も少なくない。多世代のつながりができる中、森野さんは「話を聞いてくれる人がいる場所が、今の子たちにも必要」と感じている。

 大学卒業後は東京の大学院に進学するため、今の形の駄菓子店は来年3月に閉店する予定。協力団体と引き継ぎを検討中という。森野さんは「子どものしんどい気持ちを置き去りにしない社会を実現したい。これからも、そんなテーマに向かって活動したい」と話している。(松田さやか)

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