2022.10.29 08:39
道に落ちてるギンナンって食べてもOK? 県庁に聞いてみた【なるほど!こうち取材班】
県庁前に植えられたイチョウの周囲には、丸いギンナンがぽつぽつ(高知市)
公道も同様 県は安全性懸念「控えて」
「近所にイチョウ並木があり、ギンナンが大量に落ちているのですが、拾ってもいいのでしょうか?」。そんな質問が「なるほど! こうち取材班」(なるこ取材班)に寄せられた。確かに、記者も通勤路沿いの街路樹に実ったヤマモモを「おいしそう…」と眺めた記憶がある。あれって食べてもいいの?
投稿してくれた南国市の女性(65)に話を聞いた。毎秋、近所のイチョウ並木にギンナンが実り、「食べたいな」と気になっていたという。現場に行ってみたところ、公道沿いではあるが、イチョウが植えられているのは私有地内。ギンナンの拾得は、少なくとも土地の所有者に許可を得る必要がありそうだ。
では、公道に植えられている街路樹はどうなのか。
県に問い合わせると、道路課から回答があった。「民法の規定では、果実は木が生えている土地所有者の所有。なので、道路に落ちている実を勝手に持って行ってよいとは考えていません」とのこと。確かに民法89条1項に「天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する」との記述がある。
また、担当者は「一般論」と前置きした上で、「落ちている物を食べると体にどんな影響があるか分からない。道路管理者としても責任を負いかねるので、お控えいただきたい」と話した。
高知市内の県道などを管轄する県高知土木事務所にも聞いてみた。
県道沿いに植えられた街路樹で、果実を付けるのは県花であるヤマモモが計599本と多く、イチョウも計7本ある。そういえば県庁の出入り口にも立派なイチョウの木があり、この秋もたくさんのギンナンが実っていた。
同事務所は管内の街路樹に防虫剤をまいてはいないが、やはり「食用として世話しているわけでもないので、あまり口にしないでほしい」とのこと。街路樹の季節の実りを味わうのは、目だけにしておいたほうがよさそうだ。(森田千尋)