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2022.10.27 05:28

電話で「入居権」にご用心 「劇場型」特殊詐欺が増加

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 「老人ホームの入居権を貸して」。こんな誘い文句で始まり、「名義貸しの取り消し」などを理由に、複数の役割の人物が次々と登場して現金をだまし取る「劇場型」特殊詐欺事件が、増加傾向にある。北海道では1億円を超える被害も発生。道警などは「電話で金銭の話が出たら100%詐欺。すぐに家族や警察に相談を」と呼びかけている。


 道警によると、函館市に1人で暮らす女性宅に8月、不動産会社社員を名乗る男から「これから建てるホームの入居権があなたにはあるが、入る予定がなければ困っている人に譲ってほしい」と電話があった。


 女性は善意から同意。数日後、実在する弁護士を名乗る人物が電話で「名義貸しは違法。資産を守るためには、裁判所に預ける必要がある」と脅した。


 女性はこの弁護士の名前をインターネットで調べ「事務所の電話番号と着信番号が違う」と指摘。だが「同じ事務所内の違う番号だ」との返事を信じてしまい、以後11回にわたり宅配便で現金計約1億5千万円を送り続けた。捜査関係者は「実在の人物や大企業の名前を出されると信用してしまいやすい」と解説する。


 国民生活センターによると、こうした入居権を巡る劇場型の特殊詐欺は2013年ごろから目立つようになり、相談件数は14、15年度にそれぞれ500件を超えた。20年度は75件、21年度は54件だったが、22年度はすでに186件(10月23日現在)と再び増加した。


 道警幹部は「『犯罪』と言われると不安に思って周囲に相談しにくくなるが、犯罪が金で解決されることはない」と強調。センターの担当者は「名義貸しを持ちかけてくる電話には絶対に応じないで」と話している。

(c)KYODONEWS

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