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2022.10.25 15:25

押尾コータロー「ギターは人生そのもの」 揺るがぬ信念、超絶技法を20周年アルバムに

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 押尾コータロー

 ストリーミングサービスなど配信中心の音楽鑑賞ではイントロや間奏が飛ばされがちで、ギターソロもあおりを受けているという。「僕のアルバムなんて全曲、聴かれなくなってしまう」。アコースティックギタリストの押尾コータローはそう危機感をにじませながらも、「人生そのもの」というギターを手に、己の道を突き進む。


 「いつの時代にも(歌のない)インストゥルメンタル好きはいて、その人たちのヒーローでいたいし、何よりギターをずっと弾いていたい」


 デビュー20周年記念の2枚組みアルバム「My Guitar,My Life」は、揺るがぬ信念を超絶的な技法で表現した。アコギのピュアさを生かし、時にボディーを打楽器のようにたたき生まれる音は雄弁だ。


 追われる立場の苦悩と、「まだまだやらなあかん」という思いを込めたのは「TURNING POINT」。「夢ごこち」では「横になって弾いたまま眠ってしまうこともある。そんな気持ち良さを追求したい衝動が増えた」という50代の今を素直に曲にした。


 ギターデュオ「DEPAPEPE」とカバーしたクイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」は、ギター3本での演奏という挑戦心で、美しい旋律を織りなす。


 2002年のデビュー以来インストにこだわってきたが、「『押尾のギターで歌いたい』と言ってもらえることが多く、ありがたい」とも。今作では、歌手の中川晃教が押尾の曲「ナユタ」に詞を付けて歌うなどした。「新しいラブソングになりました」と仕上がりに満足げだ。


 切ない音色の「waltz1310」は4月に死去した師匠のギタリスト中川イサトにささげる曲。中川のギター教室に通い、指と爪で弦を弾く「フィンガーピッキング」などを教わった。「イサトさんの音楽がなければ今の僕はありません」。関西弁交じりの陽気な語り口が、この時は少し湿り気を帯びた。

(c)KYODONEWS

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