2022.10.26 08:45
高知県内十数社、談合疑い 県発注地質調査、10年以上前から 公取委立ち入り
立ち入り検査で業者から関係資料を運び出す公正取引委員会の職員(25日午後9時半ごろ、高知市内)
関係者によると、今回立ち入り検査を受けたのは「木本工業」「興和技建」「四国トライ」「相愛」「地研」「ジオテク」(いずれも高知市)など十数社。各社は10年以上前から、県や県の出先機関の土木事務所が発注する道路や河川の改修工事などに関する地質調査業務の指名競争入札で、事前に談合し受注業者や入札金額を調整していた疑いが持たれている。
一般社団法人「四国地質調査業協会高知支部」に所属する四国トライなど6社が受注を取りまとめる「幹事役」だったとみられ、公取委が解明を進めている。取材に対し、興和技建、四国トライ、相愛、地研の4社は検査を受けていることを認め、木本工業とジオテクの2社は「対応できない」としている。
別の関係者によると、8社ほどが県内をブロックに分け、入札で県から指名された件数に応じて受注機会を割り振っていたという。2年ほど前に一部業者がグループから抜けて談合の枠組みが崩れ、最低制限価格での入札が急増したとの情報もある。
県によると、地質調査業務の入札では21年度に総額約10億円の発注があった。県土木部の荻野宏之部長は「詳細な状況が分からないので情報収集しているところだ。公正取引委員会の調査には県として協力したい。その結果を注視しながら適切に対応する」とのコメントを出した。
公取委は12年、国土交通省や県が発注した土木工事で入札談合があったとして、県内建設大手など37社に計約17億5千万円の課徴金納付と排除措置を命じた。国交省四国地方整備局の幹部職員による入札情報の漏えいも判明し、官製談合防止法に基づき国交省に改善を要求。職員10人が懲戒免職などの処分を受けた。(本紙取材班)