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2022.10.19 05:00

「ヤマトグサ命名の真相」(上) シン・マキノ伝【16】=第2部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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花を咲かせたヤマトグサ(高知市五台山の高知県立牧野植物園)=

花を咲かせたヤマトグサ(高知市五台山の高知県立牧野植物園)=森本敦士撮影

 ヤマトグサと言えば、牧野富太郎を思い浮かべると言っても言い過ぎではないほど、ヤマトグサは牧野ゆかりの植物の代表格である。筆者が勤務する練馬区立牧野記念庭園に来園される方からも当園でヤマトグサを見ることができますかという問い合わせがよくあるが、なかなか普通に見られる植物ではなく、残念ながらありませんと答えている。

 
ヤマトグサの図と解説(「植物学雑誌」第1巻第9号、1887年所収)

ヤマトグサの図と解説(「植物学雑誌」第1巻第9号、1887年所収)

牧野は昭和10(1935)年に出版した『趣味の植物採集』(三省堂)に「我邦に於(おい)て学界に興味を与えし植物発見の略史」という記事を収載した。記事の巻頭で、日本は植物に恵まれた国で植物学が盛んになるのは当然と言える土地柄であり、ただ植物の分量が多いのみならず様々な珍種奇品があって、そのなかでも「最も世に誇るに足り、且(か)つ斯学界(しがっかい)に取り頗(すこぶ)る重大な性質を帯びた者に就いて」叙述してみたいと述べている。牧野が言う植物学界で特筆すべき発見の一つがヤマトグサである。他にツチトリモチ・ホンゴウソウ・サクライソウ・ヤッコソウなども挙げられ、いずれも牧野が学名をつけたことで知られる植物である。

 ヤマトグサと牧野の出会いは…

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