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2022.10.07 13:25

【東京ウオッチ】モノトーンの魅力―色彩あふれる「百段階段」から発信 いまのTokyoをつかむイベント情報(8日~16日)

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 映画とのコラボ展「線は、僕を描く at 百段階段~色彩空間で観る水墨画の世界~」の会場風景=東京・目黒のホテル雅叙園東京(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント


 【8日(土)】


 ▽「線は、僕を描く at 百段階段~色彩空間で観る水墨画の世界~」(~11月27日、目黒区・ホテル雅叙園東京)


 砥上裕将さんの青春小説「線は、僕を描く」を、俳優の横浜流星さん主演で小泉徳宏監督が実写化した同名映画が10月21日に公開される。それに先駆け、ホテル雅叙園東京の東京都指定有形文化財「百段階段」でコラボ展覧会が開催されている。


 「百段階段」で結ばれた色鮮やかな各部屋に、映画にも登場するさまざまな水墨画や撮影セットを展示。映画の監修を務めた水墨画家の小林東雲さんは「墨の性質上、思いがけない描き方ができる。途中で失敗しても、諦めずに描き続けると成功した作品ができあがる。人工知能(AI)にコントロールできない人の生き方に似ているかもしれない」と説明する。小林さん私物のすずりなどの創作道具も紹介し、水墨画の技法を学べる企画だ。



 ○そのほかのお薦めイベント


 【8日(土)】


 ▽「チーズコレクション in 銀座三越 2022」(~17日、中央区・銀座三越)


 イタリア、フランス、スイス、英国など欧州各地のチーズの数々や日本の各地のコンテスト受賞チーズなど、世界中の珍しいチーズを集めたグルメイベント。


 イタリアのエミリア・ロマーニャ地方で作られ、認定を受けたチーズだけが名乗ることを許される「パルミジャーノ・レッジャーノ」、フランスの高品質な白カビチーズ「ブリードモー」など本場の味を楽しめる。また、福井県の名物「羽二重餅」とベイクドチーズケーキを融合させたスイーツ、北海道産クリームチーズをクッキーではさんだチーズサンドなどのスイーツも紹介。チーズをふんだんに使ったパフェなどイートインメニューも提供する。


 ▽「企画展『蔵出し蒔絵コレクション』」(~10月16日、港区・根津美術館、事前予約制)


 根津嘉一郎初代館長が集めた蒔絵作品のうち、蒔絵史において重要な約75点が展示されている。初公開作品も含む。嘉一郎氏は1906年に、室町幕府将軍の足利義政らが愛用したと伝えられる名品《花白河蒔絵硯箱》を高値で落札、その後も蒔絵を代表する優れた作品をコレクションしたことで知られる。


 蒔絵とは、漆で文様を描き、漆が硬化しないうちに金や銀の金属粉をまき付ける装飾技法。平安時代以降に日本で独自に発展し、鞍やたんす、絵箱などに施された。学芸部広報課の村岡佳代子さんは「元々は大名ら権力者のぜいたく品だったが、江戸の町人にも手が入る価格で普及していった。刷り箱や杯など、日用品に美を求める人々の精神が時代を超えて伝わってくる」と説明する。


 敷地内の日本庭園は、先日即位した英国のチャールズ国王が2019年、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」のため来日した際に訪れたほどの名所。繊細で美しい蒔絵作品の鑑賞と合わせて散策するのにもよい。


 ▽「朗読劇『ハロルドとモード』」(~13日、港区・EXシアター六本木、事前予約制)


 1971年にアメリカで公開された映画「ハロルドとモード」。79歳の女性と19歳の少年のラブストーリーをブラックユーモアを織り交ぜて描き、好評を得た。そんな名作を朗読劇として上演、主人公のモード役を黒柳徹子さん、モードに恋する少年ハロルド役を男性アイドルグループ「Sexy Zone」メンバーの佐藤勝利さんが務める。


 自分らしく生きる破天荒なモードと、愛に飢え見せかけの自殺を繰り返すハロルド。正反対の死生観を持つ2人の仲が深まる様子や、年齢差のある少し変わった恋人たちの姿の中に生きることの楽しさを描く。黒柳さんと佐藤さんの息の合ったやりとりも興味深い。


 ▽「企画展『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』」(~12月4日、府中市・府中市美術館)


 近代化が進む19世紀の英国で、手仕事による日常品で人々の暮らしを彩ることを目指したウィリアム・モリス。彼が主導したデザインの革新運動「アーツ・アンド・クラフツ」を紹介し、家具、テキスタイル、ガラス器、ジュエリーなど約150点を展示する。


 モリスの活動は、欧州を中心に米国にまで広がった。会場では、壁紙のデザイン「格子垣」や布の「いちご泥棒」などの素材をはじめとする代表作に加え、装飾家ルイス・フォーマン・デイの作品や建築家フランク・ロイド・ライトが手がけたステンドグラスなども展示する。高級宝石商「ティファニー」が一般の人の手に届くよう量産したランプも鑑賞できる。


 学芸員の音ゆみこさんは「『全ての人に美のある生活を』と提唱したモリスの哲学と美意識を感じてもらい、自分自身の日常を見つめ直すきっかけになれば」と話した。

(c)KYODONEWS

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