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2022.09.29 08:35

東大院生がユズ産業守る研究―やいろ鳥

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ユズ園で農家の話を聞く山崎恭平さん=左(安田町東島)

ユズ園で農家の話を聞く山崎恭平さん=左(安田町東島)

 「栽培面積と収穫量はどれくらい?」「年間の作業従事日数は?」

 ユズ農家に次々と質問するのは、東京大学大学院人文地理学教室の修士2年、山崎恭平さん(25)=横浜市。修士論文の研究で、日本の中山間地域で人が暮らしていける産業の在り方を調べている。

 ユズに着目したのは、他のかんきつと違って生産量が年々増えているから。ユズ産地で頭に浮かんだのが高知だった。「知ったのはゆずポン酢。子どものころからいつも家にあって身近だった」。先行研究はほとんど見当たらず、面白そうだと直感。生産量日本一の安芸市など、県東部を研究フィールドに定めてやって来た。

 研究のメインは農家への聞き取り調査。1人当たり1時間半ほどかけて、就業形態や面積、青果用と加工用の内訳、売り上げや経費などを詳細に尋ねていった。9月上旬から約3週間を要したが、目標だった40人への聞き取りが完了した。

 「いろんなパターンの農家から話を聞けた」と充実した表情を浮かべる山崎さん。調査に協力した農家の千光士尚史さん(41)=同市井ノ口乙=も「貴重な経験をさせてもらった。論文が完成したら、こっちでも発表会をしてほしい」と成果を期待する。

 調査では、他の作物と同様にユズ農家も高齢化や担い手不足に悩まされていると肌で感じた。「耕作放棄はしとうない、何とかしたい」と踏ん張る農家の言葉が耳に残ったという山崎さん。「自分のような研究者だからこそ見いだせる、産業を守っていける提案をしたい」。そう力を込めた。(安芸支局・宮内萌子)

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