2022.09.11 08:35
ロケット!?地面にズドン 南極観測へ機器投下試験 高知工科大助教、ドローン活用
上空から投下され、地面に刺さった観測機器(西川泰弘助教提供)=写真はいずれも高知工科大学香美キャンパスグラウンド
地震計などを搭載する観測機器のダミー
実際に南極で使用するドローンで試験。機器を下部に固定できる特注品だ
クレバス(氷河の割れ目)などが障害となって人力では近づけない場所にも設置するため、現地ではドローンを飛ばして上空から氷に打ち込む。ただ、南極は強風が吹き、狙い通りに刺すのは決して簡単ではない。
西川助教は7月から、地震計などを実際に搭載した機器を投下して作動状況を確認。今月5日にはドローン操作に習熟するため、学生ら7人の協力で試験し、上空20メートル、50メートル、150メートルの3地点からダミーの観測機器を投下した。
ドローンは位置情報に基づき、自動で投下位置まで移動するが、離着陸と機器の投下は手動。「5、4、3…」。スタッフのカウントダウンとともに、風を慎重に見極めた西川助教が投下すると、ズドン!とダミーが落ちてきた。「投下の位置は問題ないね」「現地の風の強さが心配だな」。落下位置を確認して実際の投下をイメージしていた。
「ドローンで投下すれば、人が近づけない広範囲の場所にも地面に固定できる。理にかなった手法」と西川助教。専門とする惑星地震学の発展も願い「この作業が数十年後、惑星の探査にも生かされることを見据えて取り組みたい」と意欲を燃やしている。(海路佳孝)