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2022.09.01 08:00

小社会 関東大震災99年

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 高知市出身の小説家、田中貢太郎は東京の自宅で1923年の関東大震災に遭った。激震の後、一面に「蛇の舌のような火」が上がった惨状を随想「変災序記」などに残している。

 強い揺れに、田中はとっさに妻子を連れて2階に上がった。安政地震で苦い経験をした古老というのは、郷里の人だろうか。「二階は倒潰(とうかい)することがあっても圧死を免れることができると云(い)うことを聞いていた」。

 地震の予知にも触れている。東京では「井戸水が1カ月前に乾いた」という前兆の話が流布した。乾水濁水の教えは土佐にもあるとしながら、当時の学説でも「それも信ずることができないらしい」。予知できればいいが、当時も現代もそうはいかない。

 南海トラフ地震の危険が高まった時に出る「臨時情報」が、3年前から運用されている。たとえば、東側と西側の震源域が時間差で動く「半割れ」。安政や昭和の前例がある。ただ、これも予知ではない。情報なしに地震が起きることもあれば、情報が出ても起きるとは限らない。

 事前避難や備えを促すこの臨時情報、肝心の住民の理解が進んでいないという。うまく生かせば、より多くの命を救える仕組みではあるだろう。周知不足がいわれる国、市町村とも一層の努力が求められる。

 田中は、日本の国土の不安定さを「遊ぶ魚の水の上に浮ける如(ごと)き」と表現した。どう備えるか。きょうは関東大震災から99年、防災の日。


9月1日のこよみ。
旧暦の8月6日に当たります。ひのと み 一白 先勝。
日の出は5時39分、日の入りは18時32分。
月の出は10時09分、月の入りは21時15分、月齢は4.8です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時33分、潮位58センチと、14時43分、潮位71センチです。
満潮は8時45分、潮位180センチと、20時47分、潮位188センチです。

9月2日のこよみ。
旧暦の8月7日に当たります。つちのえ うま 九紫 友引。
日の出は5時40分、日の入りは18時31分。
月の出は11時15分、月の入りは21時50分、月齢は5.8です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で3時15分、潮位57センチと、15時17分、潮位90センチです。
満潮は9時35分、潮位169センチと、21時17分、潮位182センチです。

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