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2022.08.30 08:20

イタドリ 栄養成分は? 高知県民おなじみの食材 国の成分表 掲載なし【なるほど!こうち取材班 】

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しゃきしゃきした食感がたまらないイタドリの商品

しゃきしゃきした食感がたまらないイタドリの商品

 「イタドリの栄養成分が分かりません」。そんな相談が「なるほど! こうち取材班」(なるこ取材班)に寄せられた。家族の健康管理や自身のダイエットに摂取カロリーを計算しつつ料理をしているが、ネットにも書籍にも栄養成分が出ておらず、困っているという。イタドリを愛する県民には大問題!? さっそく調べてみた。

 イタドリと言えば、春の味覚。タデ科の多年草で、県内では道端などににょっきり生えた若い茎の酸味を抜き、煮物や油炒めにして楽しまれている。

 なるこ取材班がまず調べたのは、文部科学省の日本食品標準成分表(食品成分表)だ。

 表は、日本人がよく食べる生鮮食品や加工食品、調味料などの成分をまとめたもの。学校や病院の給食や栄養指導に活用され、加工食品に表示される栄養成分の推定根拠としてもよく使われる。

 1950年に538食品が公表されて以降改訂を重ね、最新の2020年版では2478食品を掲載している。このうち、県民おなじみの食品ではリュウキュウがズイキ、チャーテはハヤトウリの名で登場。ヤマモモもブンタンもある。

 が、イタドリの記載はない。ついでに言うとブシュカンやウツボもない。

 文科省によると、対象食品の選定は「科学技術・学術審議会資源調査分科会食品成分委員会」が行う。日常的に摂取される食品から、流通量や時代変化などを踏まえて決めているという。

 各省庁や学会、業界団体の要請も踏まえて候補を選定。流通・消費状況などを勘案して対象を絞り、適切な成分値が得られたものを掲載する。改訂で欠番となるものもある。

 簡単に言えば、流通・消費地が極めて限定されており、一般的でないため、イタドリは掲載されていないということだった。

 栄養成分は謎のままなのか。ここなら分かるかも、と県産品を使った商品開発や販売に取り組む企業「アミノエース」(高知市)を訪ねた。

 同社は県食品工業団地の企業が中心となって06年に設立。イタドリの魅力を全国発信すべく塩漬けや漬物を作っている。

 担当者によると「イタドリの茎を食用にしているのはほぼ高知のみ」。コロナ禍前は珍しさと他にはない食感、どんな味にもなじむ点が評価され、県外からの引き合いも増えていたそうで、「そろそろまた展示会などでPRしたい」という。

 では、肝心の栄養成分はどうか。「あくまで参考」として同社製品のイタドリ(塩漬け)の栄養成分を教えてもらった。

 100グラム当たりエネルギーが28キロカロリー、タンパク質2・1グラム、脂質0・3グラム、炭水化物5・8グラム、食塩相当量6・1グラム。

 「正直、食物繊維が多いとか、際立った特徴はなくて…。ただ可食部ではない葉にはポリフェノールが多く、注目しています」

 とにもかくにも、全国でもっとイタドリが食べられるようになれば国の食品成分表にも載る日が来る…かも?(森田千尋)

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