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2022.08.22 08:00

小社会 蝉の五徳

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 暦の上では立秋から処暑が近づく残暑の季節である。いつの間にか朝のクマゼミの大合唱は勢いを失い、夕暮れ時の高知城あたりではツクツクボウシの音楽的な鳴き声がよく聞こえる。

 明治の日本にやってきた作家、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは虫を愛した。虫の音色に親しむ日本人に感動したともされる。「蝉(せみ)」という随筆では古代中国の学者、陸雲が書き残した「蝉の五徳」を紹介している。これが面白い。

 いわく、セミの頭の模様は文字、文体、文学を表している。地上にあるものは食べず露だけを飲んで生きるのは、清潔、清廉、礼節の心を持つ証拠。年ごと一定の季節に現れるのは貞節、誠実、真実の念に厚い証拠。

 さらに続く。麦や米の贈り物を受け取ろうとしないのは廉直、方正、正直である証拠。巣を作らないのは、質素、倹約、経済の念に厚い証拠―。あくまで古代中国の感じ方ではあるが。

 徳といえば本県出身の宰相、浜口雄幸は「政治を国民道徳の最高水準に」という理想を掲げた。今はどうなのだろう。旧統一教会との接点があった閣僚ら政務三役がぼろぼろと出てくるが、十分な説明に乏しく政治不信を深めている。国葬、コロナ禍、物価高。庶民の疑問や不安が大きくても、政権は臨時国会召集の要求に応じる気配もない。

 この時代、「政治家の五徳」があるとすれば何だろう。法師ゼミの歌声を聞きながら、じっと考えてみる。


8月22日のこよみ。
旧暦の7月25日に当たります。ひのと ひつじ 二黒 先勝。
日の出は5時33分、日の入りは18時45分。
月の出は0時31分、月の入りは15時34分、月齢は24.4です。
潮は長潮で、満潮は高知港標準で0時57分、潮位151センチと、16時28分、潮位155センチです。
干潮は8時47分、潮位67センチと、21時42分、潮位129センチです。

8月23日のこよみ。
旧暦の7月26日に当たります。つちのえ さる 一白 友引。
日の出は5時33分、日の入りは18時43分。
月の出は1時20分、月の入りは16時24分、月齢は25.4です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で2時32分、潮位154センチと、17時01分、潮位165センチです。
干潮は9時46分、潮位57センチと、22時28分、潮位120センチです。

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