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2022.08.12 08:20

【なるほど!こうち取材班 パートナー紙から】「広島焼き」呼称 地元複雑 私たちはこれが「お好み焼き」

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中国新聞に寄せられた声

中国新聞に寄せられた声

 広島県民のソウルフードお好み焼き。地元の人は「広島焼き」「広島風」と呼ばれるとモヤっとしますか。中国新聞の「こちら編集局です」がLINE(ライン)で読者に聞いたところ、200件以上の意見が寄せられた。「失礼だ」など怒りの声の一方で、「広島のPRになる」と冷静な見方も。熱い「お好み愛」があふれていた。

 予想通り、「広島焼き」への拒否反応は強かった。「広島風は百歩譲って我慢するが、広島焼きは絶対許せない」。広島市東区の会社員男性(50)は抗議する。「そんな食べ物はない。この呼び名ではキャベツや麺を重ねて焼く広島のお好み焼きをイメージできない」とおかんむりだ。

 西区の公務員男性(45)も県外の知人から「広島のは広島焼きで、大阪のものがお好み焼きでは?」と言われるたび、カチンとくるという。「『広島を焼いた』みたいに聞こえるのも気分が悪い」と憤る。

 「広島風」に納得いかないのは東区の主婦(62)。「亜流というニュアンス。関西のものがスタンダードと言われているようで…」

 容認派からは、「違和感はあるけど、関西風と区別するのに分かりやすい」(熊野町の50代事務員女性)との声も目立つ。

 お好み焼き店はどう考えているのか。お好み村組合(広島市中区)の豊田典正理事長(56)は「『広島焼きください』と注文する観光客は多いけど、そんなことでは怒らんよ。知らない人には丁寧に説明すればいい」

 年300枚のお好み焼きを食べ、業界を研究する広島経済大の細井謙一教授(54)は、呼び方論争を「愛着の裏返し」とみる。

 広島では戦後復興をお好み焼きと歩んできた歴史があり「デリケートになるのは理解できます」。その一方で「広島」を付ける利点も説明する。静岡県の富士宮やきそばや長崎県の佐世保バーガーのように、地名を入れると認知度は高まる傾向があるそうだ。

 広島市南区の女性(34)はこう言う。

 「広島焼き、広島風という表現に怒るのは広島人の持ちネタであいさつのようなもの」(中国新聞)

 県民・読者とつくる調査報道企画、高知新聞「なるほど!こうち取材班」(なるこ取材班)。県内企画のほか、連携する全国のパートナー紙の記事を随時掲載で紹介します。

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