2022.08.12 08:33
店で服や傘にリメーク 高知市の女性「着物増えすぎて悩む」【なるほど!こうち取材班 】
たくさんの着物を手に「なかなか捨てられないけど、どうしたらいいか…」と悩む投稿者(高知市内)
投稿者の高知市内の女性(70)は、結婚の際に小紋や喪服など着物一式を親がそろえてくれ、人生の節目に着てきた。
50歳前に着付けを習い始めると、親戚らが着物をくれ、たんす2さおがいっぱいに。「思い出が詰まっていてなかなか捨てられない」。友人とこの話題で盛り上がるそうだ。
合田呉服店(高知市)の合田国生社長(47)によると、着物の良さは作り直せることだという。
「昔の着物でも地の色を染め直したり、八掛(はっかけ=裏地)だけ色を変えたり。派手な羽織は帯にしたりすれば今風に合わせられます」
同店は春秋の年2回「きものクリニック」と題し、古い着物のクリーニングや補修を行っている。「日本の織りや染色技術は世界でも類を見ない。地域ごとの独自の技術もある。大切にしてもらいたい」。額や扇子にしてアートとして楽しむ方法も示した。
着物をリメークした服やかばんなどが並ぶ衣料品店「めろでぃ~」(高知市はりまや町1丁目)
最近は着物を受け継いだ若い世代からの依頼が増え、喪服をワンピースにするのが人気。男性で母の着物をクッションにした人も。絹の着物は枕カバーやパジャマ、派手な柄なら傘になる。「着物の個性を生かす」よう工夫している。
新型コロナウイルス禍で断捨離が流行する中、桑名さんはごみ集積所で、ビニール袋いっぱいに詰められた着物を見たことがある。一方、リメークをきっかけに家族の思い出がよみがえる人も多いと話す。
「着物の値打ちは、家族の歴史。捨てる以外の選択肢もあると知ってもらいたい」
家に眠る着物たち、もう一度付き合い方を見直してみては?(森田千尋)
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