2022.08.09 08:00
小社会 金門島
それでも、いや応なく「ここは外国なのだ」と認識させられたのが「戦争の残像」だった。1949年の中台分断後も戦火は絶えず、58年の第2次海峡危機から約20年で、中国軍に計100万発もの砲弾を撃ち込まれた。島の形が変わったとも言われる。
その後も長く、大陸との最前線であり続けた。住宅街には銃座が残され、観光施設は海峡に臨むトーチカや地下埠頭(ふとう)。パイナップルケーキと並ぶ土産物が、掘り出される砲弾の鋼でつくったナイフでは、住民もなかなか戦争を忘れられない。
また、極度の緊張感を強いられたことだろう。米国のペロシ下院議長の訪台に猛反発した中国軍が、台湾を取り囲むような形で実弾を使った大規模な軍事演習を展開した。あわや一触即発。歴史的な経緯はあるにせよ、力任せの横暴ぶりは目に余る。
金門島訪問の直前に参加した記者会見の取材メモを引っ張り出してみると、野党幹部が「自立しつつ、中国とも付き合う必要がある」と台湾の抱えるジレンマを語っていた。現総統の蔡英文氏だ。その難しさを今、痛感しているに違いない。
繰り返される挑発と恫喝(どうかつ)。金門島の人々はいつ、本来のゆったりと流れる時間を過ごせるのだろう。
8月9日のこよみ。
旧暦の7月12日に当たります。きのえ うま 六白 赤口。
日の出は5時23分、日の入りは18時59分。
月の出は16時53分、月の入りは1時31分、月齢は11.4です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で2時19分、潮位171センチと、16時58分、潮位178センチです。
干潮は9時42分、潮位31センチと、22時14分、潮位119センチです。
8月10日のこよみ。
旧暦の7月13日に当たります。きのと ひつじ 五黄 先勝。
日の出は5時24分、日の入りは18時58分。
月の出は17時54分、月の入りは2時36分、月齢は12.4です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で3時31分、潮位181センチと、17時44分、潮位190センチです。
干潮は10時41分、潮位16センチと、23時07分、潮位109センチです。