2024年 04月30日(火)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2022.08.02 08:40

よさこい開催 喜びと注文 「しっかり感染対策を」〈高知 よさこい 2022〉

SHARE

マスク姿で感染対策を取りながら練習に励む踊り子ら(高知市役所前=山下正晃撮影)

マスク姿で感染対策を取りながら練習に励む踊り子ら(高知市役所前=山下正晃撮影)

 1日、「2022よさこい鳴子踊り特別演舞」の開催が最終決定した。7月に入って新型コロナウイルスの感染が急拡大し、気をもんでいた踊り子や県民は「本当によかった」「ほっとしました」と安堵(あんど)。一方で厳しい感染状況は変わらないだけに、開催を疑問視する声も。共通して上がったのは「しっかり感染対策を取ってほしい」の声だった。

 「今日は会う人、会う人、『決まってよかったねえ』って喜んでくれて」。上町競演場を切り盛りする加田貴士さん(57)は声を弾ませた。3年ぶりのよさこいに向け、参加チームが厳しい感染対策をしながら練習に励む様子を見てきた。「気楽に本番を迎えられる年じゃない。踊る人も見る人も少しでも不安にならないよう、しっかり感染対策をして迎えたい」と気を引き締め、「(踊り子たちは)練習の成果を発揮してほしい」とエールを送った。

 街でも“夏の風物詩”の開催を歓迎する声が聞かれた。

 市内の主婦(40)は「地域が元気づく。みんなで(コロナを)乗り越えたという前向きな気持ちになれるんじゃないか」と期待。市内のサービス業、楠正浩さん(61)も「今年も中止にしたら、みんなの落胆が大きかったはず。京都の祇園祭も開催したし、感染に気をつけてやるならいいと思うよ」。

 「3年連続でやらんかったら、『もういいや』と参加者の機運が下がる」と指摘する安芸市の女性公務員(38)は、「ここでやらんといかん。開催せんと宿泊や観光業もダメージが大きい」と強調した。

 初めて踊るという幡多郡黒潮町の30代女性は「うれしい。今年、病気が見つかって苦しかったけど、練習で踊るうちに前向きな気持ちになった。特別演舞で、心の元気を取り戻したい」と話した。

 一方、全国の新規感染者数は20万人を超える日も出ている。県も7月29日、医療提供体制の負担が増しているとして約4カ月ぶりに対応ステージを「特別警戒」に引き上げたばかり。複雑な思いで開催のニュースを聞いた人は少なくない。

 県東部の30代の女性は医療機関で働く。コロナ患者と関わった医師や看護師が自宅待機になり、手術を延期せざるを得ないケースも出ているとし、「開催は迷惑。もう少し医療のことも考えてほしい。これ以上、しわ寄せが来ないようにして」と訴えた。

 四万十市の病院勤務の女性(44)はため息交じりに「家族が陽性になり、出勤できなくなった同僚もいる」。ただ自分も踊った経験があり、よさこいの魅力も知っているだけに「今年やらないと、よさこい文化がなくなるというのも分かる。厳戒態勢でやって」と注文を付けた。

 例年の祭りに出場してきたという、県西部の看護師の女性(26)は「買い物とかで高知市へ行くだけでも悪く思われてる。特別演舞には参加しない」と話す一方、「みんなが楽しみにしていたのも知っているから、開催はうれしい。楽しんでもらいたい」と語った。

 賛否がある中での開催決定に、土佐市のチームの関係者は「やっても、やらなくてもたたかれたと思う」と淡々と話し、「踊り子も観客も万全の予防策をして、『やってよかったね』で終わりたい」と願った。(本紙取材班)

高知のニュース 高知市 よさこい祭り

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月