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2022.08.02 08:00

【熱中症】命に関わる暑さこれから

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 8月に入り、一年で最も気温が高い時季を迎えた。いまや夏の暑さは気象庁も「災害」としている。ことしも既に各地で最高気温が35度以上の「猛暑日」が相次いでおり、警戒を強めたい。
 きのう猛暑日となった観測地点は全国で200以上。県内はなかったが、室戸市や土佐清水市ではことし一番の暑さを記録した。
 気象庁の統計によると、高知市の一日の最高気温が平年値で最も高くなるのは8月2~12日の32・4度。一日の最低気温が最も高い期間とも重なっている。
 全国的にも8月前半は日中はうだる暑さに悩まされ、夜も寝苦しい日が続く。体調を崩しやすく、熱中症への警戒が必要になる。
 昨年の消防庁のデータもそれを示している。昨年5~9月、熱中症で救急搬送された人は全国で約4万8千人。うち8月2~8日の1週間で8千人超が搬送された。
 高知県は日射量が多い上、高齢者の割合が高く、特に注意が必要だ。昨年の搬送者数は429人だが、人口10万人当たりでは鹿児島、鳥取に次いで全国3番目の多さだった。
 環境省と気象庁は昨年から全国で、特に暑くなると予測される日に合わせ、「熱中症警戒アラート」を発表している。
 高知県は昨年計8回あり、うち7回が8月だった。ことしはいまのところ6月30日と7月1日の2日間のみだが、全国的にはきのうも33府県に出された。アラートは前日午後5時か当日午前5時に発表される。情報に注意してほしい。
 熱中症は時に命に関わる。昨年も80人が死亡している。アラートが発令された日はもちろん、発令されなくても酷暑なら、日中の外出や運動はなるべく控えたい。
 屋内でも油断できない。昨年は庭先を含む住居での発症が全体の4割近くを占めた。店内など出掛けた先の屋内で発症した例も約7%ある。屋内でもエアコンをつけたり、小まめに水分補給をしたりする対策が欠かせない。
 特に高齢者や子ども、持病のある人などには周囲が気を配り、異変を早めに察知することが大切だ。日ごろから食事や睡眠を十分取り、体調を整えることも心掛けたい。
 新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。医療機関は連日対応に追われ、「限界だ」との声も聞かれる。これに熱中症患者の急増が加われば、医療体制の逼迫(ひっぱく)度がさらに増しかねない。
 行政には先手の対応が求められる。私たちも熱中症の予防に努めなければならない。
 気象庁は今月7日ごろにかけ、東日本と西日本で猛暑日となる場所があるとして、健康管理への注意を呼び掛けている。
 記録的な猛暑が続き、気象庁が「命に関わる危険な暑さ」「災害と認識している」としたのは2018年7月。夏場の異常は常態化しているといっていい。この夏も猛暑を災害と認識して備え、乗り切りたい。

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