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2022.07.26 08:38

明徳、劣勢はね返す精神力 高校野球高知大会決勝

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【明徳義塾―高知】6回表明徳2死満塁、安井が右越えに三塁打を放ち走者一掃、8―4とする(春野球場=山下正晃撮影)

【明徳義塾―高知】6回表明徳2死満塁、安井が右越えに三塁打を放ち走者一掃、8―4とする(春野球場=山下正晃撮影)


<高校野球高知大会 最終日>25日 明徳義塾 8―7 高知

 明徳打線に焦りはなかった。五回を終えて2―4。六回の攻撃前にグラウンド整備で数分の間が空いた。ベンチで馬淵監督がつぶやく。「この間で流れが変わる」。ナインはその言葉を信じ、そして体現した。

 打線は高知の先発、川竹の140キロの速球に押され、三回まで無得点。馬淵監督は「投げ方がクイック気味。打つ構えをもっと早めろ」と指示。すると四、五回に1点ずつ返し、後半の反撃に手応えを感じていた。

 六回。4番田中、5番寺地の連続二塁打で1点差とし、打席には準決勝で逆転2点弾を放った主将池辺。バットを短く持ち、「必ず打つ」。果敢に初球を捉え、3者連続となる二塁打で同点。

 明徳の勢いは止まらない。7番吉村が内野安打でつなぎ、2死一、三塁から9番辰己の右前打でついに勝ち越し。さらに四球で満塁とし、打席には2番安井が立った。

 打席に入る前に主将の池辺から「形じゃない。気持ちで行け」と声を掛けられた。「とにかくつなぐ」。変化球を鋭く捉えると、打球は右翼手の頭上を越える走者一掃の三塁打。一気に4点差に引き離した。

 明徳は後手に回っても、ヘッドスライディングで内野安打をもぎ取ったり、ファウルで粘って投手の体力を削ったり、したたかに相手を崩しにかかる。そして、得た好機を見事なまでの集中力で過去何度もものにしてきた。

 試合後、「優勝できてほっとした」と表情を緩めた池辺。「ピンチでも気持ちで負けなかった。打線もつながった。この大会でも成長できたと思う」。劣勢をはね返す伝統のたくましさを身に付けて、明徳が甲子園に乗り込む。(五十嵐隆浩)

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