2022.07.21 08:40
マニア垂涎プラモの山 土居模型店(高知県南国市)―フォっトけないす
人の背丈より高く積まれたプラモデルやラジコンの箱(写真はいずれも南国市の土居模型店)
うずたかく積まれたプラモデルの箱は、天井に届かんばかり。鉄道模型やラジコンカー、フィギュア、モデルガンも所狭しと並ぶ。土佐くろしお鉄道後免町駅近くの県道沿いにある土居模型店=南国市大そね甲。40坪ほどの店内は、愛好家垂涎(すいぜん)の〝宝の山〟だ。
常連客が作った模型がガラス棚に並ぶ
自身も子どもの頃、ゴム動力のプロペラ飛行機やラジコンに熱中した模型好き。19歳で店を開き、マルサン(東京)製の潜水艦ノーチラス号や戦闘機、戦車、スポーツカーなど、実物を模型化した品々が店頭を飾った。
その後、サンダーバードやゴジラ、ウルトラマンといったキャラクター物の時代に。人気アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモは、今もなお店の売り上げの半分以上を占める。「ガンダムは別格やね。色塗って改造して、自分好みの機体にして楽しむ」と土居さん。「好きな人にとって、ガンダムブームは永遠なんですよ」
店には大人も子どもも訪れる。新型コロナウイルスで外出を控える中、子どもの頃のプラモ愛が再燃した大人も多い。かつてガンプラに熱中した土佐市の男性(49)もその一人で「最近は家におる時間が増えたんで。通販だと注文から届くまで半年はかかる。ここにはひょっこり、いいもんがあるんですよ」と目を輝かせる。
香美市の男性(49)もコロナ後、ラジコンカーを10台買い集めたそう。「おんちゃん(土居さん)はラジコンに詳しいし、アドバイスも信頼できる。それに、細かいパーツから何から、品ぞろえがすごいでしょ?」。宝を探すような熱いまなざしで店内を見渡す。
ミニ四駆の手入れにいそしむ店主の土居照明さん
「作るだけじゃのうて、競い合いができるのも模型の楽しさ。それが店を続けられる原動力かもねえ」。大好きなプラモの山に囲まれ、無邪気に笑った。(香長総局・海路佳孝)