2022.05.31 08:36
「病気の子に元気を!」佐川町の小1、本村さんがヘアドネーションに挑戦 医療用かつらに髪寄付 県内に広がり【なるほど!こうち取材班】
腰まで伸びた髪をカットする本村瑠月さん(高知市北竹島町)
送り主は、高岡郡佐川町の斗賀野小学校1年、本村瑠月(るな)さん(6)の母、恵梨子さん。自身が長い髪に憧れていたこともあって瑠月さんの髪を伸ばし、生まれてから前髪以外は切ったことがないという。
髪が背中の中ほどまで伸びた2年前。2人は偶然、白血病の女の子が登場する絵本を読んだ。そこには女の子が副作用で髪の毛を失う描写もあった。
不思議そうな瑠月さんに、恵梨子さんが髪の毛が抜ける理由や、本物の髪で作られる医療用かつらの存在を説明すると、瑠月さんは迷わず「瑠月の髪をあげたらいいね」。
以降、お風呂上がりには急いで乾かしてオイルでお手入れ。就寝時はもつれないように枕の上にまとめ、きれいな髪を提供できるよう努めてきたという。
小学校入学を機に寄付を決め、22日に高知市内の美容室でカット。腰まで伸びていた髪を46センチ切った。
恵梨子さんは「毎日なでていた髪なのでじーんとする」。
「もう1回髪のない子にあげられるように伸ばしたい」と話す瑠月さん
ヘアドネーションは1990年代に米国で普及した。日本では、大阪市のNPO法人「Japan Hair Donation&Charity」(JHD&C=ジャーダック)などが寄付された髪で子ども用ウィッグを作り、無償で提供している。
県内では、5月30日時点でJHD&Cの賛同サロンが10店舗、別団体の賛同店も数カ所ある。賛同店でカットしなくても寄付ができるが、長さ31センチ以上▽乾いた状態で切る―などの注意点がある。カラーやパーマをした髪を寄付できるかは各団体で異なるため、確認が必要だ。(森田千尋)