2022.05.30 05:35
天文図わざと間違えた? キトラ古墳壁画で新説
キトラ古墳の天文図=2004年12月14日、奈良県明日香村(奈良文化財研究所提供)
奈良県明日香村にあるキトラ古墳の壁画の天文図(7~8世紀、国宝)を巡り、太陽の通り道を示す「黄道」などの位置が誤っているのは、天文図の私有を禁じた法を意識した意図的なものだった可能性が高いとの研究成果を、斉藤昭則京都大准教授(地球惑星科学)が30日までにまとめた。
天体の位置は、吉凶を占う重要な情報だった。法に触れて罰を受けないようにと、観測に役立たないよう細工したと考えられるという。
一般的には「デザインを優先した」「単純なミス」と解釈されているが、奈良文化財研究所の若杉智宏主任研究員は「天文学的、歴史学的な観点で柔軟に検討するべきだ」としている。