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2022.05.08 08:33

土佐料理「祢保希(ねぼけ)」東京進出50年 「小さな土佐」発信続け...郷土料理広める

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東京進出から50年を迎えた「祢保希赤坂店」(東京都港区)

東京進出から50年を迎えた「祢保希赤坂店」(東京都港区)

 東京で土佐料理を通じて高知の魅力を広めてきた「祢保希(ねぼけ)」が今年、開店から50年を迎えた。「東京の小さな土佐」をコンセプトに高知県産食材にこだわり、浮き沈みの激しい都心の飲食業界を生き抜いてきた。

 運営する「土佐料理 司」(高知市)が1972年3月、赤坂に東京1号店を出した。周辺は、佐藤栄作や田中角栄ら政治家の通う高級料亭街。出店と同時に上京した竹内太一社長(68)は「1年ぐらい見向きもされなかった」と振り返る。

 それでも「1人1万円以内で個室で飲食できる」と次第に評判が広まった。赤坂は国会議員の宿舎や官公庁からも近く、若手議員や官僚らが通い、にぎわうようになった。

 提供するのはカツオにクジラ、酒盗や地酒など、高知を感じる品々。魚の鮮度にはこだわった。物流が未発達な時代に毎朝、高知市弘化台で仕入れた魚を空輸。「びんびんの魚がそろう店」との評価を固めた。

 祢保希は今、赤坂を足掛かりに、銀座や新宿など都内5店舗。さらに「司」などの名称で高知市の本店をはじめ、県内と大阪に7店を展開する。新型コロナウイルス下で休業や時短営業が続いたこの2年間は、通販事業に力を入れている。

 自宅時間が増えたのに目を付け、若手社員が中心となって、盛り付ければ完成する会席料理や皿鉢料理のキットなど新商品を開発した。2015年入社の小林沙雪さん(29)は「上下関係なく、いろいろなことにチャレンジできる社風がある」と話す。

 竹内社長は「老舗といわれるが、次の50年につなげるため常に新しいことに挑戦している。これからも時代に合う商売を続けたい」と話している。(浜崎達朗)

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