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2022.04.22 18:33

地下施設大破、死傷者多数 製鉄所籠城の幹部が証言

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 18日に公開された、ウクライナ・マリウポリの製鉄所に避難しているとされる子どもたち(アゾフ連隊提供・ロイター=共同)

 ロシア軍が事実上の制圧を宣言したウクライナ南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所に立てこもり最後の抗戦を続ける「アゾフ連隊」幹部が22日までに英BBC放送の取材に応じ、猛攻にさらされた地下施設の現状を証言した。激しい爆撃で施設は大破し、民間人を含む多数の死傷者が閉じ込められているといい、安全な退避路確保の必要性を訴えた。


 「われわれがここにいる限り、マリウポリはウクライナの統制下だ」。アゾフ連隊のパラマル副司令官は、製鉄所に残る部隊がロシア軍の度重なる攻撃を撃退したとして、ロシアの「解放」宣言に反論した。


 しかし、最後のとりでとなった製鉄所は「全ての建物が破壊され」、頑丈なトンネルが張り巡らされた地下施設も地下貫通弾による攻撃で損壊。がれきに閉じ込められた民間人がいるほか、兵士約500人が重傷を負ったが必要な処置を受けられていないという。士気だけで持ちこたえているのが実情のようだ。


 パラマル氏は「52日間の封鎖と戦闘で医薬品が底を突いた。兵士の遺体も埋葬できない」と窮状を訴えた。


 同氏によると、地下施設に避難した民間人はウクライナ軍とは離れた場所で80~100人ごとに集まっている。中には生後3カ月の乳児も。ただ、激しい砲撃で近づけず、崩れたコンクリートで入り口がふさがれた所もあり、全体の人数は把握が難しいという。パラマル氏は民間人が安全に退避できるよう国際機関などの協力を求めた。


 アゾフ連隊は海兵隊や国境警備隊などと共に抵抗を続ける。ロシア側は2千人以上が残っているとみて、包囲を続けつつ投降を求める。パラマル氏は兵士の退避ルートを確保したいとしながらも、「投降はあり得ない」と強調。「ロシアの狙いは破壊と恐怖だ。われわれが倒れれば、この大軍はさらに進撃し、文明世界全体が危険にさらされるだろう」(共同)

(c)KYODONEWS

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