2022.04.14 17:37
ベニガオザル雄、「他人」と協力 繁殖の成功度高めると研究チーム
ベニガオザルの群れ=2017年4月、タイ(中部大提供)
東南アジアを中心に生息する絶滅危惧種のサル「ベニガオザル」の雄は、血縁がない雄とも協力関係を築き群れを作って雌を囲い込み、繁殖の成功度を高めていると、中部大などのチームが国際専門誌に発表した。血縁に関係なく協力的な行動をするのは、ヒト以外では珍しいとしている。
中部大に所属する豊田有・日本学術振興会特別研究員(霊長類学)は「繁殖活動は他の雄と共有するのが難しいとされる。どのような基準で協力相手を選ぶのかを調べたい」と話した。雄同士が協力する場合は血縁関係があるのが一般的という。
チームは2015~17年、タイの野生動物保護区の群れ計約400匹を観察した。