2022.04.09 18:15
「被爆に人種関係ない」 米兵捕虜調査した被爆者が講演
広島市の原爆資料館で講演する、歴史研究家で被爆者の森重昭さん=9日午後
原爆で被爆死した米兵捕虜を調べてきた歴史研究家で被爆者の森重昭さん(85)が9日、広島市の原爆資料館で講演した。「原爆の犠牲者に人種は関係ない。遺族に真実を伝えたいという気持ちでやってきた」と45年余り続けてきた調査への思いを語った。
森さんは38歳の頃から調査を始め、米兵捕虜の名前や所在地を特定し、遺族に知らせてきた。火の海となった街や、焦げた遺体の山を目の当たりにした被爆体験も語り、「米兵は逃げることもできずに被爆死した。平和の大切さや戦争の愚かさを子孫に伝えていこうと肝に銘じている」と力を込めた。