2022.03.11 08:44
防犯用「笛鳴子」やまもも工房が開発 「子どもも職人も守りたい」 高知県香美市
鳴子工房の存続と子どもの安全を祈って開発した「笛鳴子」
同社が自社工房で製造する鳴子の数は、2020年のよさこい中止から9割減が続く。この間、鳴子柄の手ぬぐいや山田高校の生徒とコラボした鳴子形トレーなどをハイペースで商品化してきたが、観光客が戻らないこともあり苦戦してきた。
同社の公文美佐子専務が「職人の仕事になり、他社は作れず、祭りがなくても売れる商品は…」と考え、小学生の孫がリュックに付けていた防災用ホイッスルを見て「笛だ!」とひらめいた。
鳴子にばちを取り付ける技術を応用し、2分の1サイズの柄に穴を開ける方法を考案。危険が迫った際に気付いてもらえるよう、はっきりした高音が鳴るよう調整した。小型ながら、ばちも取り付けて鳴子の音も出せる。
朱色、紫など5色展開。30個以上でオリジナルデザインにも対応し、子ども会での配布や入学の記念品などの用途を見込む。3月末から自社ウェブサイトで1600~1800円(税込み)で販売する。
公文専務は「高知の子どもの安全を守る鳴子。首から提げたり、ランドセルに付けたりして使って」。公文佑典社長(43)は「祭りが戻った時、鳴子が作れない状況にはしたくない。職人と一緒に何とか粘りたい」と話している。(竹内悠理菜)