2022.03.09 15:54
名張事件「やるべき審理行わず」 特別抗告した弁護団が会見
名張毒ぶどう酒事件で、特別抗告の申立書を手に記者会見する鈴木泉弁護団長=9日午後、名古屋市
三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で、再審開始を認めなかった3日の名古屋高裁決定を不服として、最高裁に特別抗告した奥西勝元死刑囚の弁護団が9日、名古屋市で記者会見した。鈴木泉弁護団長は「疑わしきは被告人の利益に、との裁判の鉄則をかなぐり捨て、本来やるべき審理が行われなかった点を強く訴える」と話した。
特別抗告は8日付。弁護団は申立書で「無罪の立証責任が弁護側に転換されており、致命的な誤りがある」と批判した。
今後、最高裁が審理し、今回の高裁決定を破棄して自ら判断すれば、再審開始決定が出る可能性もあるという。