2022.03.09 05:17
義勇兵志願「力の脅しに憤り」 元自衛官、渡航見通し立たず
元幹部自衛官の男性が訪れた東京都港区の在日ウクライナ大使館=3日(本人提供)
在日ウクライナ大使館が一時、ツイッターで呼び掛けた外国人で構成する「義勇兵」への参加を志願した50代の元幹部自衛官の男性が9日までに共同通信の取材に応じ、「強大な力で一方的にウクライナや世界を脅し、従わせようとするプーチン大統領に憤りを感じた」と語った。
呼び掛けの投稿は既に削除され、男性にも「医療や防災活動、通信などの分野のボランティアを募集する」との内容の連絡があったが、外務省はウクライナ全土に退避勧告を出しており、渡航の見通しは立っていない。
男性は大使館の担当者に「ボランティアでも貢献したい」と伝え、現在は連絡を待っているという。
男性は20年以上、自衛隊で勤務。イラク戦争時には中東に派遣された。国際情勢が任務と深く関わっていたため、退官後も海外のニュースを注視している。
義勇兵の募集は2月28日に知人から教えられた。大使館の公式フェイスブックで同様の投稿を見つけ、職歴とともに「経験を生かせたら」などのメッセージを送った。
ウクライナと縁はないが「(ロシアは)法的根拠なく侵攻した上、核をちらつかせて脅している」と批判。「このような脅しが成立すれば、世界は永久に力を持つ者におびえることになる。ウクライナだけの問題ではない」と危機感を抱く。