2022.02.17 10:34
中国選び大活躍、国威発揚宣伝も 谷愛凌、生まれも練習も米国です
フリースタイルスキー女子のスロープスタイルでも銀メダルを獲得し、中華まんを頬張りながら取材に応じる中国の谷愛凌=15日、張家口(共同)
【北京共同】北京冬季五輪フリースタイルスキー女子、中国代表の谷愛凌(18)の人気が沸騰中だ。8日のビッグエアで金メダル、続く15日のスロープスタイルでも銀を獲得した。米国で生まれ生活も練習の場も主に米国だが、中国代表での出場を選び、中国では活躍と人気を背景に国威発揚と絡めた宣伝もみられる。
短文投稿サイト微博(ウェイボ)のフォロワーは、この1週間で約170万人増え500万人超に。五輪や谷と関係がないのに、企業名に「谷」が入っているという理由でIT企業の株価がストップ高になるという現象も起きた。
父は米国人で、母は北京出身の中国人。幼い谷を岩登りに連れて行った北京の登山団体関係者によると「天才的な身体能力がある子」だった。2019年に15歳でワールドカップ(W杯)を制すると、米国代表から中国代表に転じると表明した。共産党系の北京日報は「熱愛による決断」だったと強調。国営通信新華社は活躍を「これぞ中国の若者」と称賛する。
熱狂の一方で、冷めた見方もある。中国は二重国籍を認めないが、谷は米国の旅券を保持しているかどうか明言を避けている。