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2022.02.15 08:45

感染すれば努力無駄に...不安渦巻くコロナ下の中学入試 高知県内、2校は追試なし 小学校休む家庭も

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中学入試へ向け、追い込みに余念がない子どもたち。コロナ感染への不安とも戦う(高知市はりまや町3丁目の進学塾「土佐塾」)

中学入試へ向け、追い込みに余念がない子どもたち。コロナ感染への不安とも戦う(高知市はりまや町3丁目の進学塾「土佐塾」)

 新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう中、受験生らの不安が渦巻いている。高知県内では19日以降に国公私立中学、国公立大2次、公立高の入試が続くが、中学入試では感染した場合に受けられる追試がない学校も。受験生や保護者は「感染すれば努力が無駄になる。怖い」と話し、小学校を休む動きも出ている。

 県内の中学受験は19、20日に国公私立11校が予定。うち高知、土佐塾、土佐女子、明徳、清和女子は以前から後(Ⅱ)期試験(26日)があり、前期を受験できなかった児童も受け直しができる。さらに、「すべての受験生に機会を与えたい」と後期に対する追試を構える学校もある。

 県立の国際、中村、安芸の3中学はコロナ対応として、3月5日に初めて追試を実施する。後期試験のない高知大付属も「相談があれば個別に対応する」としている。

 一方で例年、受験生が最も多い土佐と学芸は「本試験と追試験の公平性が担保できない」(土佐)、「業務的に余裕がない」(学芸)として追試を行わない。

 「合格より、まずは受験会場のスタート地点に立てることを祈るしかない」「受けて落ちたなら、まだ納得できる。2年間の頑張りの成果を出せなかったら悔しいと思う」。中学受験に臨む子を持つ親は、そう口をそろえる。

 県内のコロナ感染者数は中学受験1カ月前の1月21日に3桁を突破。2月11日には過去最多の310人となるなど、収束の見通しが立っていない。

 児童生徒の感染も多く、14日までの10日間で感染者計2354人に対して337人と、全体の14%程度を占めており、学級閉鎖や休校となった学校も少なくない。

 そうした中、各家庭は手洗い・うがいの励行はもちろん、「人混みを避けるため、今年に入ってからは外食や外出は控えている」「スーパーに行く頻度を減らすため、買いだめをしている」と、それぞれに対策を取る。

 高知市内のある母親(42)は、数日前に夫が県外での仕事から帰ってきたが「空港からホテルに直行してもらった。検査で陰性が出るまでは帰って来なくていいと言ってある」。加えて「もし子どもが感染して、友達にうつしてしまったら責任を負いきれない」と危惧する。

 その防衛策として、小学校を自主的に休ませているという家庭も。ある母親は「残り少ない学校生活だから行かせるつもりだったけど、学校で感染者が出たから」と試験前の1週間ほど休ませる決断をしたという。

 同市内の小6男子は「言われなくても手洗い・うがいはしてるし、家族でスーパーに行っても車で待っている。行くのは塾だけ」と話す。

 同市内の進学塾では、3密対策に教室の窓を開けて学習中。コートやダウンジャケットを羽織ったままの子もおり、予想問題に真剣な表情で取り組んでいた。休み時間も友達と大声で話すことはなく、家でも「時々、自分で窓を開けて換気をしている」などと自衛の意識は高い。

 小6女子は「お父さんもずっと飲み会には行ってなくて、みんなが支援してくれているのを感じる。ベストの力を出して受験できるよう、まず健康を大事にしたい」。男子も「まだ合格の自信はないけど、夢への一歩と思ってこの1週間、最後の追い込みをする」と意気込んでいた。

 国公立大の2次試験は25、26日、県内の公立高入試は3月3、4日。〝勝負の日〟まで、受験生らの心配は尽きない。(宮崎順一、玉置萌恵)

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