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2022.02.09 08:00

小社会 お通夜

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 お通夜は楽しい、というと何を不謹慎なと怒られそうだが、ここでいうお通夜は葬式とは無関係。仁淀川町別枝の秋葉まつり前日の2月10日夜、翌朝の練り行列の出発、いわゆる「出たて」の景気づけに催される前夜祭のことだ。

 立春を過ぎたとはいえ、愛媛県境の山里は寒さの底。山の端に日が沈むとたちまち息が白い。お通夜の酒肴(しゅこう)は各自の持ち寄りが決まりで、風呂敷包みを携えた面々が三々五々、明かりのともる集会所に集う。

 ストーブのぬくもり。やかんの湯気。杯が行き交い、初物のわさび漬けが座を巡る。やがて始まる神楽に太刀踊り。かつてはこの酒宴が夜通し、出たての合図のほら貝が鳴るまで続いたからお通夜と呼ばれる。

 例年なら今時分はまつりの準備が万端相整い、後は本番を待つばかりなのだが、コロナ禍で2年連続の縮小開催に。呼び物の練りや鳥毛ひねりは行われず、当然ながらお通夜も見送りという。

 古老の記憶によれば、過去にまつりが滞ったのは天然痘の流行で開催が1カ月日延べになった1943年の一度きり。230年近い歴史で中止の記録はないというから、連年の縮小はやはり特筆すべき事態なのだ。

 県内の感染者数が連日のように200人を超えるに及び、県は慎重だった「まん延防止等重点措置」の適用要請に踏み切った。どこまで続くぬかるみぞ。世を覆うコロナ禍の重苦しさは、さながら葬式のお通夜のごとくである。


2月9日のこよみ。
旧暦の1月9日に当たります。みずのと み 三碧 先負。
日の出は6時56分、日の入りは17時44分。
月の出は11時33分、月の入りは0時51分、月齢は7.9です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で4時20分、潮位79センチと、18時24分、潮位49センチです。
満潮は10時47分、潮位132センチです。

2月10日のこよみ。
旧暦の1月10日に当たります。きのえ うま 四緑 仏滅。
日の出は6時55分、日の入りは17時45分。
月の出は12時08分、月の入りは1時49分、月齢は8.9です。
潮は長潮で、満潮は高知港標準で1時29分、潮位102センチと、11時44分、潮位125センチです。
干潮は5時11分、潮位95センチと、19時54分、潮位45センチです。

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