2022.01.30 08:38
何でも「あるよ」、レンタルの「ジャストタイム」サウナ、くす玉、キャンプ用品…商品2500種 高須新町(高知市)―ちいきのおと(56)
出番を待つ貸し出し用品。中には「祝 来客数10万人」の垂れ幕も(写真はいずれも高知市高須新町2丁目のジャストタイム)
生活雑貨、イベント用品…2500種
生活雑貨からイベント用品まで、何でも借りられる店と言えば、ここだろう。レンタルの「ジャストタイム」(高知市高須新町2丁目)。急に入り用な品ができて駆け込んできた客、珍品、レア商品を探す客に、いつも「あるよ」。36年間、笑顔で応え続けている。
入り口近くには流行のアウトドア製品がずらり。すぐにキャンプに出掛けられそうだ。そこから一歩奥へ足を運ぶと、ディープな世界が待っていた。殿様用肘掛け(1760円=1泊2日料金、以下同)、巨大な「だるま落とし」(1万3200円)、背筋力計(3080円)、どじょうすくい小物セット(1100円)、大名陣笠(1760円)、優勝トロフィー(1100円)…。誰が、どんな時に使うのか。
エアバズーカに巨大だるま落としと、ユニークな品も多数
着ぐるみの頭、頭、頭…。貸出時にはもちろん胴体が付く
こんな話も。ある時、医学生から「聴診器はありませんか」と切羽詰まった電話が入った。入社歴の浅い店員は「さすがにそれは」と思ったが、問われた上司はさらり、「あるよ」。
「新型コロナ対応でテークアウト品を店外販売したい。レジスターってあったりします?」「学校の授業で柔道着が要る。さすがにないですよね?」
そんな半信半疑な問い合わせもなんのその。膝が痛い人から法事用の低いいすを求められた時は商品がなかったため、すぐに購入して貸し出した。
「仕入れは遊び心と冒険心ですから」と店長の川内丈士さん(44)。ベビー用品や旅行用品、起工式・地鎮祭のセット、運べるサウナ、くす玉など約2500種の商品があり、「仕入れの失敗は数知れず。でも、お店に来てわくわくしてもらえたらいいんです」。
◇
創業は1985年。建設機械をレンタルしている四国建設センターが生活用品に商機を見いだし、約400種を並べて始めた。主力商品は昔も今も家電やイベント用品、アウトドア用品だが、変わったこともある。
撮影機材を借りるのは、80年代は子や孫の運動会、卒業式を撮ろうという人らだったが、最近では「どうやらユーチューバー」になった。
貸し方も変わった。今のお薦めは、高額商品の「お試し借り」。例えばロボット掃除機だったり、オランダ製の電動自転車だったり。「購入する前にまずは借りてみて」という使い方だ。
もともと店名の「ジャストタイム」は、買う前に「ちょっと待て」の意味だったという。
「『必要なものを必要な時に』という意味もあります。これからもお客さんのニーズに応えていきたい」と川内さん。時代に合わせ、県民の「今、欲しい」をかなえていく。(報道部・宮崎順一)
《自慢のイッピン》
創業以来「牛肉たっぷり」 肉屋のコロッケ
高須小学校前に店を構えて35年。精肉店「スズキミート」のカウンターの向こうで、2代目の鈴木純一郎さん(53)が手際よく肉をさばいている。
店では、注文を受けてから作る唐揚げや弁当も販売。中でも創業時からのレシピを守る「肉屋のコロッケ」(税込み160円)が人気で、「肉屋らしく牛肉たっぷりです」と胸を張る。
鈴木さんが目利きした上質の肉の余りを大きめにミンチ。ゆでたジャガイモにゆでた肉と生肉をバランスよく入れ、「こくがあるけど、しつこくない」よう揚げており、「お客さんの『おいしい』がうれしい」と言う。
午前8時半~午後7時15分。水曜定休。店の2階は焼き肉店の「鈴木亭」。
《あの日あの時》1969年
広がる田園、2つの池
高知市の都市計画課の書棚に眠っていた1枚。1969(昭和44)年に現在の高須新町周辺を空撮したものだ。広大な田園地帯にぽっかり、池の水面が見えている。下は絶海池(たるみのいけ)だが、その左上に見えるのは?
「こりゃ、葛島池やね。近所の子がみんなあ泳ぎよった。ボラやナマズも釣れよった」と語るのは横山信広さん(73)=高知市葛島3丁目。写された田園の中に、祖父の田んぼもあったという。
当時は池と田を結ぶ用水路があり、「みんなあ船で池から田んぼに行きよった。刈った稲も船で運んだがよ」と懐かしがる。
撮影翌年に、市の区画整理事業がスタート。葛島池は埋め立てられ、今は住宅地や公園となっている。
《ちょっとチャット》
亀岡このみさん(12)高須小6年
人のつながりが深い地域だと思います。登校中に会う人がいつも「今日も元気ね」「行ってらっしゃい」って声を掛けてくれるんです。近所の北の丸公園がお気に入りで、友達と鬼ごっこをして楽しんでます。お菓子作りも楽しみ。スノーボールクッキーは家族にも好評です。将来はパティシエになりたいな。