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2022.01.12 08:00

小社会 石垣に思う

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 昨年末の本紙「解いチャレ」面の難読地名クイズに出た「潰溜」は、かなり難度が高いのではないか。「つえだまり」と読む。仁淀川町の大渡ダム沿いの山里だ。

 つえて(崩壊して)たまる(堆積する)の意。山が崩れ土砂がたまったわずかばかりの平地に人が住みついたのだろう。土地の成り立ちを如実に示す地名だ。一帯はかねて地質のもろさが言われており、ダムの試験湛水(たんすい)で地滑りが起きた際には、それ見たことかの声が上がったのを覚えている。

 当地も含め、仁淀川上流域の歴史は地滑りとの共存の歴史でもある。特徴的なのが石垣。地滑りにあらがい耕作地を確保するため、先人は営々と石垣を築くことに代を費やした。

 昔の写真を見ると、ふもとから頂上まで山に定規を当てたような無数の横じまが走る。これ全て石垣。「耕して天に至る」とはすなわち「積み上げて天に至る」でもある。右代表が同町長者。重畳たる棚田に集落が連なる景観は、南米アンデスの世界遺産マチュピチュ遺跡にもなぞらえられる。

 過疎が進み山が荒廃するにつれ、そんな石垣の多くがやぶにのみ込まれつつある。過日の本紙が紹介した、香南市夜須町の山中に人知れずそびえる、のけぞるような巨大石垣もその一例だろう。

 風雪に耐えなお頑丈さを保つ石垣を見るにつけ、無量大数の石を担ぎ上げた先人の労苦を思う。人口流出を防ぐ石垣を築けずにきた政治の貧困を思う。


1月12日のこよみ。
旧暦の12月10日に当たります。きのと うし 二黒 先負。
日の出は7時11分、日の入りは17時18分。
月の出は13時02分、月の入りは2時03分、月齢は9.4です。
潮は長潮で、満潮は高知港標準で2時22分、潮位109センチと、13時29分、潮位135センチです。
干潮は7時06分、潮位90センチと、20時50分、潮位41センチです。

1月13日のこよみ。
旧暦の12月11日に当たります。ひのえ とら 三碧 仏滅。
日の出は7時10分、日の入りは17時19分。
月の出は13時34分、月の入りは3時00分、月齢は10.4です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で3時52分、潮位118センチと、14時28分、潮位136センチです。
干潮は8時42分、潮位95センチと、21時41分、潮位29センチです。

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