2024年 04月28日(日)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2021.12.26 08:00

小社会 「忠臣蔵」と現代

SHARE

 師走となれば「忠臣蔵」。かつての勢いはなくなったようだが、ことしも二、三の落語やテレビドラマが放映された。赤穂浪士が吉良邸に討ち入った事件から300年以上。根強い人気がある。

 年内の番組で印象深かったのは、江戸時代の人気歌舞伎役者・中村仲蔵の出世物語(NHK)。忠臣蔵の一幕を巡って、嫉妬深い脚本家の立役者のいじめに遭う。だが逆境をばねに一筋の芸の光を見いだしていく。

 あらすじは現代、どこにでもあるストーリーと変わらない。しかし仲蔵役を演じたのは、若手歌舞伎俳優のスター中村勘九郎さん。仲蔵は実在の人物で現在の中村屋ともゆかりがあり、記録も残っているそうだ。

 現在の忠臣蔵も、江戸の脚本の流れをくむ。かといって史実を全部無視しているわけではない。西洋の古典演劇を見るのと同じではないか。

 ことし、墓碑銘に刻まれた作家の半藤一利さんは、忠臣蔵の名場面として四十七士の一人、大高源五が俳句の先輩、宝井其角と両国橋で出会った瞬間を挙げる。其角が「年の瀬や水の流れと人の身は」と問うと、源五は「あした待たるるその宝船」と翌日の討ち入りをほのめかす(「手紙のなかの日本人」)。

 できすぎである。でも面白い。もしこの場面が事実ではないと退けられたら、酢の抜けたすしのようになるだろう。雪の討ち入りの日のように、しんしんと夜もふけてきた。その情緒も味わいたい。


12月26日のこよみ。
旧暦の11月23日に当たります。つちのえ さる 七赤 先負。
日の出は7時08分、日の入りは17時05分。
月の出は23時38分、月の入りは11時45分、月齢は21.8です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で4時06分、潮位32センチと、17時00分、潮位82センチです。
満潮は10時59分、潮位147センチと、22時27分、潮位126センチです。

12月27日のこよみ。
旧暦の11月24日に当たります。つちのと とり 六白 仏滅。
日の出は7時09分、日の入りは17時05分。
月の入りは12時14分、月齢は22.8です。
潮は小潮で、満潮は高知港標準で11時52分、潮位146センチです。
干潮は5時01分、潮位44センチと、18時20分、潮位73センチです。

高知のニュース 小社会

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月