2021.12.21 08:00
小社会 南海地震75年
背後にある雲仙普賢岳の噴火活動に伴うものだった。麓の町と海が一瞬にして土砂に埋まり、津波も起きて対岸の肥後(現熊本県)にまで押し寄せた。島原の海は約1キロ沖まで大地になったというから、まさに天変地異の光景だっただろう。
眉山の崩壊は「島原大変肥後迷惑」の言葉でいまに伝わる。そんな普賢岳が再び牙をむいたのは約200年後、1991年6月だった。火砕流によって消防団員や報道関係者ら43人が亡くなった。
丸30年がたった被災現場を先月訪れると、記念碑が立っていた。ことし完成したという。手のひら形の石柱が二つ。普賢岳に向かって合掌しているようなデザインだった。石柱の「一つは慰霊、もう一つは山への感謝の意味があるんです」。市内にある雲仙岳災害記念館の杉本伸一館長に教わった。
普賢岳は脅威だが、地域に広い大地と豊かな畑作をもたらしてきた。「恵みがあるから祖先は災害に遭っても住み続けてきた。これからもきっとそう」。記念碑と杉本さんの言葉は地域の覚悟にも思えた。
地震や津波に見舞われる高知もまた土地の隆起や海の幸という恵みを得てきた。もちろん恵みの享受は命あってこそ。昭和南海地震からきょうで75年。防災の再確認は郷土で暮らし続ける矜持(きょうじ)である。
12月21日のこよみ。
旧暦の11月18日に当たります。みずのと う 三碧 仏滅。
日の出は7時06分、日の入りは17時02分。
月の出は18時40分、月の入りは8時44分、月齢は16.8です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で0時54分、潮位-2センチと、13時06分、潮位84センチです。
満潮は7時41分、潮位163センチと、18時35分、潮位163センチです。
12月22日のこよみ。
旧暦の11月19日に当たります。きのえ たつ 二黒 大安。
日の出は7時06分、日の入りは17時02分。
月の出は19時37分、月の入りは9時29分、月齢は17.8です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時28分、潮位0センチと、13時39分、潮位85センチです。
満潮は8時15分、潮位160センチと、19時08分、潮位159センチです。