2021.12.08 08:00
小社会 星になった人
2人の出会いは村岡さんが20歳の時。高知市の実家の写真店に、関さんが星を撮影したフィルムを持って訪れた。少年時代に見た池谷・関彗星(すいせい)がきっかけで天体写真を撮り始めた村岡さん。「君も星をやっていますか」と話が弾み、以来、関さん宅を足しげく訪ねることに。
そこで軌道計算の魅力に開眼した。地球に近づく彗星の軌道や明るさを割り出し、いつどこでどう見えるかを予測する。最初は電卓、後にはパソコンで、宇宙の営みを机上で解明する作業に独学で没頭した。
小学生で父親を亡くし、高校を中退した「元祖フリーターのインドア天文家」が手掛ける彗星年表は、研究者の観測に欠かせない資料となる。後に日本天文学会の天文功労賞も受賞。訃報に接し関さんは「世界でも5人といない優秀な軌道計算者。天文界の縁の下の力持ち」と本紙に最大級の追悼を寄せている。
このたび関さんの旧著「未知の星を求めて」が新版として復刊された。本はまだ見ぬ世界への扉でもある。関さんが開いた扉から天文界に羽ばたいた後進が、それこそきら星のごとくいる。
本物の星になった人もいる。本日8日は、遠く輝く小惑星に永遠に名を刻む村岡さんの命日である。
12月8日のこよみ。
旧暦の11月5日に当たります。かのえ とら 七赤 先負。
日の出は6時57分、日の入りは16時58分。
月の出は10時54分、月の入りは21時08分、月齢は3.8です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時26分、潮位-6センチと、14時46分、潮位97センチです。
満潮は9時27分、潮位166センチと、20時08分、潮位165センチです。
12月9日のこよみ。
旧暦の11月6日に当たります。かのと う 六白 仏滅。
日の出は6時58分、日の入りは16時58分。
月の出は11時36分、月の入りは22時16分、月齢は4.8です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で3時16分、潮位10センチと、15時45分、潮位99センチです。
満潮は10時21分、潮位157センチと、21時02分、潮位150センチです。