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2021.12.01 08:00

小社会 カワウソ今昔

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 ニホンカワウソで忘れられないのは29年前、1992年に佐賀町(現黒潮町)の海岸で見つかったふんを巡る騒動だ。魚の残骸に刺し毛が1本交じっており、分析の結果、斜断面がくし状になった特徴的な髄質構造が明らかになる。

 当時、魚を食べる動物でこの構造を持つのはカワウソしかいないとされ、大ニュースになった。生きた姿が確認できれば79年の須崎市新荘川以来とあって、全国紙がヘリコプターで取材班を送り込むなど特ダネ競争が過熱。「カワウソと橋本知事のネタだけは他社に負けるな」と厳命されて赴任した記者もおり、目が血走っていた。

 県も緊急保護対策に乗り出すが、はかばかしい成果は得られない。やがて、同じ構造の毛を持つハクビシンがこの海岸に頻繁に現れることが判明。果実以外に魚も食べる可能性が浮上し、狂騒曲は一気にしぼんだ。

 曲折を経て環境省は2012年に「絶滅種」に指定するのだが、その後も時折、思い出したように目撃情報が飛び交う。先日の本紙「そして某年某日」は、5年前の大月町での目撃談や撮影例を詳報していた。

 今もいるのか、もういないのか。取材競争が激しかった頃、専門家の見解を聞いて全国を回った。印象に残った言葉がある。

 「絶滅はもう避けられないでしょう。しかし人の心の中のカワウソは永遠に絶滅しません。怖いのは忘れてしまうこと。人々に忘れ去られるのは第二の絶滅です」


12月1日のこよみ。
旧暦の10月27日に当たります。みずのと ひつじ 五黄 赤口。
日の出は6時52分、日の入りは16時58分。
月の出は2時56分、月の入りは14時45分、月齢は26.2です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で3時27分、潮位152センチと、15時27分、潮位173センチです。
干潮は9時17分、潮位59センチと、21時59分、潮位28センチです。

12月2日のこよみ。
旧暦の10月28日に当たります。きのえ さる 四緑 先勝。
日の出は6時52分、日の入りは16時58分。
月の出は4時05分、月の入りは15時20分、月齢は27.2です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で4時24分、潮位167センチと、16時04分、潮位180センチです。
干潮は10時08分、潮位62センチと、22時40分、潮位6センチです。

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