2021.11.04 15:47
神戸5人殺傷、被告に無罪判決 地裁「心神喪失だった疑い」
神戸地方裁判所=2020年11月
神戸市北区で2017年7月、祖父母や近隣住民ら5人を殺傷したとして殺人や殺人未遂などの罪に問われた無職の男性被告(30)の裁判員裁判の判決で神戸地裁(飯島健太郎裁判長)は4日、「被告は統合失調症の圧倒的な影響下で心神喪失状態だった疑いがある」として無罪を言い渡した。求刑は無期懲役だった。複数人が殺傷された重大事件で、被告の刑事責任能力を否定し無罪とするのは異例とみられる。
公判で被告は起訴内容を認め、弁護側は「症状は重度で心神喪失状態だった」と無罪を主張。検察側は「善悪の判断や行動を制御する能力は残っており、心神耗弱状態だった」と無期懲役を求刑していた。