2021.03.26 20:18
嚥下障害と中心静脈ポート(高カロリー輸液)【こうち医療ウォッチ】高知記念病院
嚥下障害と中心静脈ポート(高カロリー輸液)
消化器外科 北川 尚史 医師 【経歴】昭和49年 高知学芸高校卒業 昭和56年 防衛医科大学校卒業 昭和58年 近森病院勤務 平成26年3月 高知記念病院消化器外科
高齢者など、嚥下訓練では十分な栄養が摂取できない場合、胃管(鼻から胃までの管)、胃ろう(腹壁を貫いた胃内への管)造設を行います。しかし胃液逆流など、胃管、胃ろうでも対応が困難な場合、本人・家族の十分な同意の下、中心静脈ポートを挿入し、栄養管理を行います。
中心静脈ポートは点滴を行うために、皮膚の下に埋め込んで使用する器具のことです。3㌢程度の本体と、血管へ挿入する15㌢のカテーテル部分から構成されており、本体に針を刺すため点滴漏れを防ぎ、確実に薬剤を投与できます。
中心静脈ポートを使う利点としては①穿刺(せんし)が容易②高カロリー輸液が使用可能③両手が使いやすい④使用しないときは針を抜いて入浴、外出、運動も可能、が挙げられます。
経口摂取が困難で、かつ胃管、胃ろうでも対応困難な場合、中心静脈ポート(高カロリー輸液)挿入により、栄養状態改善が期待できますので主治医にご相談ください。
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