2021.05.29 20:04
慢性腎臓病(CKD)について【こうち医療ウォッチ】高知記念病院
慢性腎臓病(CKD)について
高知記念病院 透析内科 島村 芳子 医師
【略歴】 平成16年 高知医科大学卒業 平成24年高知大学医学部分泌代謝内科 助教 令和3年 高知記念病院 透析内科
最近では健診の結果に「推定糸球体濾過(ろか)量」(eGFR)という結果が記載されることが増えています。eGFRとは腎臓の働きを示す指標であり、腎臓にどれだけ尿を作る能力があるかを表しています。健康な成人の場合、eGFRはおよそ100程度であり、腎機能の低下に伴い数値は低下していきます。このeGFRが60未満となると慢性腎臓病(CKD)と診断され、健康な人と比較して腎臓の機能がおよそ60%程度に低下している状態と判断されます。
CKDの状態の方の多くは自覚症状がないため、末期腎不全、すなわち透析治療目前の状態になるまで気付かない場合があります。腎臓の機能が低下すると、腎臓そのものの機能障害だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの発症の危険性も高まるといわれています。
CKDは早期の治療の介入によって進行を緩やかにできる可能性があります。また、eGFRの数値だけでなく、年齢や他の治療中疾患の有無なども総合して判断する必要がありますので、健診で再検査が勧められている場合には、早めの病院受診や主治医への相談を心掛けてください。
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